過去ログ - 速水奏「全部、貴方のせいにしちゃいましょう。」
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7:znAUHOH90 6[sage]
2017/04/26(水) 01:17:48.00 ID:kIea3Dc10

「−−−−!!」

たぶん、悪いことの見付かった猫のようだったと思うわ。
びくんっ、と、反射的に背筋をピンと伸びて、体が起きちゃった。
みくが、レッスンのすっぽかしをマストレさんに見付かったときくらいの身震いだったでしょうね。

「−−−−失礼します」

硬直、ね。
まずい、とか、しまった、って思う間もなく、頭がまっしろ、っていうかんじ。
背後で、あっけなくドアが開くのを、そのままなすがままになる他なかったんだけど。
固まって身じろぎひとつできない私を、力強い腕が掻き懐くように、抱き寄せたの。

「ーーーーどぅわっ!?」

すっとんきょうな声がした。そりゃそうよね、アイドルとプロデューサーが、こんな……改めて体勢を考えたら、猛烈に恥ずかしくなってきた。
ちょっとした悪戯程度のつもりが、いつのまにか熱が篭っちゃって、仮にも職場で、こんなに大胆にプロデューサーさんに迫って。
痴女じゃない、完全に。ああ、もう。
そ、その、変な気分にも、なったし。
けど、さっきまで硬直してた側だったはずの相方は、私を胸に押しつけ、頭を隠すように深く抱き締めながら、

「ああ、美嘉Pさん。お疲れさまです。どうされましたか?」

なんて、不敵なくらい落ち着いた声で言ってのけてた。

「うっ……お、お取り込み中! 大変失礼いたしーーーー」
「いえ、大丈夫ですよ。なにかご相談ですか?」
「えぇっ!? えっと………そのぅ……?」

Pさんに包まれてしまってるから、顔は見えない。けど、このPさんより年かさの、低いけど穏やかで人畜無害そうな声色は、いつもニコニコしてる美嘉のプロデューサーさん。
まずい、かも。
プロデューサーさんほどでないけど、美嘉のプロデューサーさんとはlippsの関係でよく顔を合わせているし、現場でお世話になったことも何度かある。この角度なら顔は見られていないだろうけど、まじまじと見られれば、シルエットで私だとバレる可能性は十分ある。

「どうされました? あぁ、この子ですか。なにも気にする必要はありません……些細な事、ですから。」

そう思っていたら、Pさんは私の頭に回していた手をグッと抱え込むように力強くしてきて、それだけじゃなく腰も、体が密着するくらい、すっぽり包み込むようにぎゅっとしてきた。


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