過去ログ - ヴィーネ「悪魔的行為」ガヴリール「お前には無理」
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/04/29(土) 23:48:11.21 ID:Lw1YlrV00
※ガヴリールドロップアウトSSです
※地の文アリ
※時系列は原作4巻カバー裏おまけ漫画の後ですが、読んでいなくても全く問題ありません
※次レスから悪魔的行為開始

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage]
2017/04/29(土) 23:50:12.77 ID:9UUUHb140
4巻カバー裏ちょっといいよな……


3:名無しNIPPER[saga]
2017/04/29(土) 23:50:55.10 ID:Lw1YlrV00
 通い慣れた階段を登る。私の体重に軋む音が、どこか心地よかった。天候もいい。風はなくカラッと晴れている。こういう日はどこかに出かけたくなるなあ。土曜日で、学校も休みだ。

ラフィ「あらヴィーネさん」

 そんなことを考えていたら、見知った天使の声が聞こえた。比喩ではない、事実として彼女はあれでも天使なのだ。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/04/29(土) 23:53:17.13 ID:Lw1YlrV00
ラフィ「ヴィーネさんはガヴちゃんとお出かけですか」

 本当ならそうしたいところなんだけれどね。あの子とても可愛いし、その気があればいくらでも私が見繕ってあげるのになあ。でも絶対に面倒臭がるし。はあ、勿体ない。

ヴィーネ「ううん、掃除よ掃除。ほっとくとすぐゴミ屋敷になっちゃうんだから」
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2017/04/29(土) 23:59:29.47 ID:Lw1YlrV00
 それは、思いがけない言葉だった。そんなこと、考えたこともなかった。

 依存。

 ガヴが、私に依存?
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:10:49.91 ID:kcOLXSKS0
 下界にやってきもう1年以上経つ。その間に私は、ガヴと友情を築いてきたつもりだった。天使と悪魔という立場の違いはあったけれど、それでも私たちは友だちだった。そう、信じていた。

 でもその実、どうだろうか。中身はそんな綺麗なものではなかったのかもしれない。私はあの子を利用して、自分に依存させて、堕落させていたのではないか。思い返せば、海に行った時だってハロウィンの時だって、あの子は乗り気じゃなかった。私が無理矢理、やらせていただけなんじゃないか。

ラフィ「ガヴ……」
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:16:52.00 ID:kcOLXSKS0
 二人で過ごす時間が好きだった。

 なのに全部、まやかしだったのだろうか。私が一方的に想っていただけだったのだろうか。

 胸が苦しい。これまでに感じたことのないような、痛みだ。涙が出そう。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:22:00.57 ID:kcOLXSKS0
 もう一度深呼吸。

 切り替えていかないと、ガヴに心配させてしまうかもしれない。否、それも私の悪行ではないのか。心配してくれたとして、それは私が依存させているからだ。

 思考が悪い方向にしか行かない。こんなんじゃ駄目だ。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:26:30.37 ID:kcOLXSKS0
 玄関にはゴミ袋が一つ転がっている。珍しいことに、きちんと自分で掃除していたのだろうか。とは言っても、お世辞にも綺麗だと言えるような状態ではない。やはり物が散乱しているいつもの部屋だ。

ガヴ「遅いよ……腹減ったから何か作ってくれない?」

 朝から何も食べていないのだと言うその顔も、いつも通りだ。悪びれもしない、頼めば私がやってくれると思っているのだろう。実際私は、そうなるだろうと思って自宅から食材を持ってきている。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:29:32.18 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「あれ、なんで、私、嘘」

 両目を拭う。

ヴィーネ「ごめ、ごめんねガヴ。すぐっ、すぐに、泣き止むからっ」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:36:02.39 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「うっ、ううっ」

 思い浮かぶのは、全部ガヴリールの顔だった。気怠げで、でもとびきり美少女で。たまに見せてくれる笑みはまさしく天使で。

 でもそんな笑みも、彼女の心からのものではなかったのかもしれない。私が、悪魔として彼女を堕落させていただけ。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:38:39.16 ID:kcOLXSKS0
ガヴ「もう、なんだよお前。急に泣き出して鬱陶しい」

 言葉は乱暴なのに、声がした方から優しい感触が私を包み込んだ。

ヴィーネ「ガヴ?」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:44:57.68 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「私、私ね、ガヴが好きなの!」

 堪えられずに、感情をぶちまけていた。

ヴィーネ「好き、好き、好きなのお」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:50:21.87 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「私、私ガヴに酷いことして」

ガヴ「うん」

ヴィーネ「私が、私がガヴのこと好きだから、自分に依存させようと仕組んだの」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:56:04.23 ID:kcOLXSKS0
 今彼女は、何を考えているのだろう。何を思いながら私の話を聞いてくれていたのだろうか。

 これは罪の告白だ。私が加害者で、彼女が被害者。きっと自己満足でしかない。これすらも、私の悪魔としての性質に起因する行動でしかないのかもしれない。

 きっとガヴは許してくれないだろう。それだけ酷いことをした。天界の期待と未来を背負った優秀な彼女を、私が潰したのだ。私がガヴリールの人生を滅茶苦茶にしたんだ。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:00:56.19 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「あのね、ガヴ――」

ガヴ「ヴィーネ」

 私の言葉を遮って、ガヴが言葉を紡ぐ。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:06:07.45 ID:kcOLXSKS0
ガヴ「そんな馬鹿な思い込みして泣いてるような悪魔に出来るわけないだろ」

 呆れたように言う。

ガヴ「まあ確かに、ちょっとヴィーネには頼りすぎかもしれないけどさ」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:11:55.06 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「ねえガヴリール」

 支えきれずにガヴが床に倒れる。期せずして、押し倒すような形になってしまった。

ヴィーネ「私、貴女のことが好き」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:18:58.83 ID:kcOLXSKS0



 結局のところ、何も解決はしていない。振り出しに戻っただけだ。

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:20:30.21 ID:kcOLXSKS0
お付き合い、有り難うございました。

後ほどHTML化依頼を出しておきます。もしよろしければ、ご意見ご感想をお聞かせください。



21:名無しNIPPER[sage]
2017/04/30(日) 02:20:54.13 ID:ZUU8MY1uo
控えめに言って神


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