過去ログ - 水本ゆかり「神様の前で嘘はつけないんです」
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5:名無しNIPPER
2017/05/06(土) 12:52:08.00 ID:2lPz9rtXO
んん……」

 懐かしい夢を見た。いや、半年前のことを懐かしいとカテゴライズしても良いものなのかは微妙なところではあるが、なんにせよ時の流れは早い。あの日のこともついこないだのように思えてしまうくらいだ。それなのに今でも夢を見ているのでは思うこともある。誰もの憧れであるアイドルと相思相愛だ、なんて夢小説の類じゃないか。

「すぅ……」

 だけど今確かにゆかりは俺の隣にいる。安心しきったかのように眠る彼女の息遣いが、それは現実であると雄弁に語っているのだから。まるでお気に入りのぬいぐるみを抱いているかのように、俺の腰に両手を回して眠る彼女を起こさないようにベッドから出る。心地よさを感じる重みがなくなったのは寂しいけど、いつまでもそうしているわけにも行かない。

「随分と気持ちよさそうに寝ちゃってさ。まぁ無理もないか」

 昨日までゆかりは大きなステージに向けての準備に追われていた。彼女の意向から入念にリハーサルを行い、全国各地を行脚してステージの告知をして回って。仕事がなかなか取れない時期を思うとあまりに充実した毎日であったが、その分ゆかりが自由に使える時間がほとんど取れなかった。それでも本人の負けん気の強さでなんとか乗り切って、本番に向けての準備が大体できた今日、ようやく休みを貰えたのだ。俺とゆかりの関係を知ってかしら、同時に俺も久方ぶりの休日ということで仕事の事を忘れて恋人同士の時間を過ごそうと昨日の夜か一緒にいたのだけど。

「うぅん……」

 と、まあお風呂から出るとベッドの中で寝息を立てていたわけで。苦笑いが生まれたけど俺も疲れきっていたので起こさないようにベッドに入って朝を迎えた。というわけだ……何が、とは言わないけど色々と生殺しだったのは心の中に隠しておこう。



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