過去ログ - 魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 10:48:41.99 ID:H0UYO+1aO
その日、小さな村で、ある女性があたたかい命を生みました。
小さな小さな女の子を生みました。
女の子は、輝く紋章をその拳に宿していました。

父親が言います。
我が娘に、紋章が宿った!
父親は大喜びです。

母親が言いました。
どうして私の子どもなの!
母親は哀しみました。

古くから村では、100年に一度、勇者を受け継ぐ子どもが誕生すると言われていました。
父親が娘を抱き上げ、言います。
村の長老に正規の焼き印を捺してもらわないといけないよ。
母親は首を振ります。
女の子の手に焼き印だなんて、とんでもない。
母親は娘が勇者になるのは反対でした。

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2:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 11:03:34.85 ID:H0UYO+1aO
母親は父親の腕を掴んで赤ん坊を取り上げます。
そして、泣きながら、睨み付けました。
勇者になれば様々な魔物と戦わなければならないです。
危険な場所にも訪れることでしょう。
どうしても長老の所に行くのなら、私はこの子と死にます。赤ん坊が泣き始めました。まるで、母親の憤りを感じているようでした。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 11:20:28.05 ID:H0UYO+1aO
娘が生まれて、数日が経ちました。
村の長老は、勇者の存在を、村の斥候により少し前から知っていました。
長老は生まれてくる勇者が女の子であることも知っていました。
しかし、勇者に選ばれたのは事実です。
種があるからこそ、天は輝きを授けるのです。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 12:02:24.47 ID:H0UYO+1aO
その夜、父親は食事を残しすぐに部屋に引き上げました。
疑問に思った母親は、部屋の扉を叩き、具合が悪いのですか、と尋ねました。
顔を出した父親は少し暗い表情をしていました。そんなことはないよ、と言います。
子どもの世話で疲れていた彼女も、あまり深くは追及しません。
お酒の入った樽を手渡し、部屋に戻り床につきました。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 12:08:51.98 ID:H0UYO+1aO
ちょっと出かけてくる


6:名無しNIPPER[sage]
2017/05/14(日) 13:18:36.14 ID:XVYrxEoOo
期待


7:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 21:50:48.13 ID:+7UWUz4XO
みんなが寝静まった頃、父親は目を覚ましました。
酒の酔いが少し冷め、夕食を囲っていた時に感じていた罪悪感も薄れていました。
大丈夫、父親は祈るように思います。
世界の平和のために仕方がない。
時代の水平に光が差し込む頃、自分の妻も私の行いを認めてくれるはずだ。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 22:05:38.88 ID:+7UWUz4XO
暗い夜道は危険が付き物です。
魔王の気に当てられた動物や植物、いわゆる魔物達は、特に夜に活発に活動します。
そのため、長老の斥候がすぐ近くの湖で待っている手はずでした。
周りの様子をうかがいながら、父親は小走りで人里を抜けます。
長老の住む家は山の麓にありました。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 23:41:26.46 ID:AQIOeCSJ0
湖のほとりに来ると、娘は少しだけ泣き止んでくれました。
しかし、父親は過去をしかめます。
なんだ、この匂いは。
今まで嗅いだことのない、生々しい錆びた匂いが立ち込めていました。
彼は、斥候の名前を呼びました。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 23:49:18.90 ID:AQIOeCSJ0
小さな悲鳴をあげました。
手に生暖かい液体が付着しました。
匂いの正体だとすぐにわかりました。
強烈な、血の匂いでした。
父親は震えあがります。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:00:46.94 ID:sscDpbIG0
金色の光がそこにはありました。
娘の紋章の輝きだとすぐにわかりました。
月がまた顔を覗かせ、辺りを照らし出します。

ぽたりとしずくが落ちたような気がしました。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:08:41.78 ID:sscDpbIG0
いったーい! なにすんのー!?

少女が怒ります。
そして、大きな口を開いて、父親の頭を丸のみしました。
ぼりぼりむしゃむしゃ、ごっくん。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:19:15.24 ID:sscDpbIG0
私の真似をしないでよ!

少女はその小さな食べ物が自分と同じようにしているのが許せません。
その子の頬をつねって、おしおきをしました。

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:29:49.92 ID:sscDpbIG0
女は土が崩れるように、しゃがみ込みました。
そして、言います。

私を食べていいですから、その子は食べないでください!

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:31:16.75 ID:sscDpbIG0
甘くてとろける百合バス書いたものです。
魔王と少女編とか、見たい人いますか……?


16:名無しNIPPER[sage]
2017/05/15(月) 00:36:05.92 ID:PSA2upbFO
とっとと書け太郎


17:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:46:13.86 ID:sscDpbIG0
>>16
ハムゥ


18:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 00:51:37.97 ID:sscDpbIG0
百合って書かずに書き出したんですが、読んで下さってる方、こっからの百合展開大丈夫ですか?


19:名無しNIPPER[sage]
2017/05/15(月) 01:03:27.61 ID:Q9dsoj8X0
はたからそのつもりだ


20:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 22:02:33.94 ID:FYM8qCG/0
10年後――。


勇者、勇者よ。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2017/05/15(月) 22:08:57.12 ID:FYM8qCG/0
空から真っ逆さまに落ちている気分で、少女は目を覚ましました。

どうされましたか?

狼が少女に問いかけます。
以下略



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