過去ログ - 魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」
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74:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 12:39:58.67 ID:FGQZz50A0
狼は歯をむき出しました。

勇者は脅威です。私が食べるとしましょう。

狼が牙を剥きだしました。昔、一緒に遊んだ狼が、少女を食べようとしていました。
少女は狼のことも好きでした。お節介の狼。困ったら一番頼りになるのも狼。人里に行く時は、いつも背中に乗せてくれるのも狼。
それは、魔王の命令だっただけです。少女は悟り、余計に辛くなりました。
魔物には人間に優しくする義務はないのです。

狼は大きく口を開けました。
少女は、両手をかざしました。
狼は少女の周りをゆっくりと歩きます。
低い姿勢を取ったり、立ち上がったりして威嚇します。
勇者の力に真っ向からは対抗できないと感じているようでした。

少女はしだいに息が切れてきました。
光が弱まっていきます。

え、なんで。

狼はそれを見逃しません。
跳躍して、ひとっ跳びで少女の頭上から襲い掛かりました。

いただきます。

狼が冷徹に言いました。

きゃあああ?!

少女は、狼の真っ赤な舌に震えあがりました。

だめ!

魔王が二人の間に立ちはだかります。
狼の牙を掴んで、身体ごと放り投げました。
態勢を整えることもできず、狼は池に落ちていきました。

魚の魔物たちが、狼に噛みついていきます。
体の重たい狼は池から出ることができません。

魔王、あなたはどこかおかしくなってしまったのですね。

狼はそう言って、池に沈んでいきました。


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