過去ログ - 【モバマスSS・速水奏】《Home》
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5: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/07/29(土) 16:40:41.25 ID:vf2bp9nY0
奏は仕事を休むことにした。

プロデューサーに話をした際、喧嘩になった。

喧嘩と言っても言い合いではない。

奏が感情的になり、一方的に暴言を吐いただけだ。

「しばらく休みたいのーーーもちろん。いま入れている仕事が全部終わったらね」

プロデューサーは奏の休業を引き止めなかった。

代わりに理由を聞いた。

それだけだった。

「わかった。でも、理由を聞かせてもらえないか?」

適当なことを言ってごまかすつもりだった。

心配はかけたくなかった。

だが、奏は心に針が突き刺さるような痛みを感じた。

もうダメだった。

同時に怒りを感じた。

自分への怒りだ。

「どうでもいいでしょう!! 私は…!!!」

涙が溢れた。

思わずその場にうずくまってしまった。

奏は泣き止むまでプロデューサーに背中をさすられていた。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

奏は謝った。

プロデューサーに家まで送るよと言われたが、断った。

1人で帰るつもりだったが、後ろから城ヶ崎美嘉が付いてきた。

「何か用? 子供じゃないんだし、1人でも帰れるわよ」

奏は冷たい言い方をした。

だが、美嘉は表情ひとつ変えなかった。

「知ってる。でも、あたし心配してる」

奏は何も言い返さなかった。

真剣な時の美嘉は決して動じない。

奏は羨ましいと思った。

家の中に入る前、美嘉は「またね」とだけ言った。

奏は振り返ることができなかった。

「また」になるのかがわからなかったからだ。



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