838:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:42:08.76 ID:oAV4+yJj0
「そらそらくんは?」
「それです」
839:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:43:08.34 ID:oAV4+yJj0
「いま呆れてる顔です」
「じゃあ呆れてる顔でもいいや」
840:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:43:55.44 ID:oAV4+yJj0
「シノちゃんと愛を語り合ってたら眠くなくなってきちゃったかも」
「語り合ってないですけど」
841:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:44:44.27 ID:oAV4+yJj0
「お菓子とか奢ってあげるから」
「誘拐犯みたいな台詞ですね」
842:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:45:24.81 ID:oAV4+yJj0
早足で駆け寄って、ぶらりと自然に下ろしていた部長さんの腕を取った。
二の腕は細い割にふわふわしていて柔らかい。サボン系のフレグランスの匂いがふわりと漂う。
いつも思うけど、どうやったらこんなに人を落ち着かせるような雰囲気を出せるのだろうか。
843:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:46:37.76 ID:oAV4+yJj0
腕には私の胸が当たっているから、多分部長さんにもそれは伝わっている。
そう思うと、ますます募る恥ずかしさで彼女の顔を直視することができなくなった。
自分から腕を取ったのに、ちょっと近いだけでこのありさまだ。スキンシップに慣れてなさすぎる。
844:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:47:48.19 ID:oAV4+yJj0
【つまさきせのび】
「部長さんは、私に訊かないんですか?」
845:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:48:59.22 ID:oAV4+yJj0
頬を刺す冷えた夜風に、お互いぶるぶると身震いする。
どちらともなく近付いて、アスファルトに座り込む。彼女の体温を、息遣いを、すぐ近くに感じる。
本当は少しだけ描いていた。描こうとしていた。
846:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:50:05.48 ID:oAV4+yJj0
などと考えていると、はい、とガムを手渡される。
受け取ってから彼女を見ると、薄紫色の風船をぷくーっと膨らませていた。
それを真似するように、ベリー味のガムを口に含む。
847:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:51:00.94 ID:oAV4+yJj0
「やり直しが効かないところだと思います」
小さいころは、紙とペンさえあればそれでよかった。
単に近くにあったから。それだけの理由だけど、そのままでいられたらどれだけ良かったのだろうと思ってしまう。
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