過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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821:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/13(金) 00:05:00.60 ID:ASHueaWro
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「食べてください」


 デスクに腰掛けながら、小さな緑色のお弁当箱を広げているプロデューサーさんに、言う。
 ニコニコと笑いかけているのに、とても気まずそうにしている。
 箸は全く進んでいず、蓋を開けてそのままの状態。
 おかずが詰まったお弁当箱と、おにぎりが、一つ。


「いえ、ですが……!」


 さっきから、何度このやり取りを繰り返したか覚えていない。
 けれど私は、強引にでも押し切るつもりでいる。
 もう、お昼休みの時間はあまり残っていないのだ。
 その時間が過ぎてしまえば、プロデューサーさんは、
きっとそれを言い訳にして、逃げてしまうだろうから。


「食べてください」


 ニコニコと、笑いかける。


 アイスだけを買ってきて、お昼ご飯を買ってこなかったプロデューサーさんに。


「しかし、これは千川さんの……!」


 だから私は、自分のお弁当をプロデューサーさんに食べさせることにした。
 おにぎりは二つ持ってきたから、その内の一つを食べて、それ以外は全て。
 少し物足りないけれど、まだアイスがあるから、大丈夫。
 私よりも、体が断然大きくて、必要なエネルギーが多いプロデューサーさんは、食べないと駄目ですけどね。


「あら……私のお弁当、食べたくないんですか?」


 手を頬に当て、首を傾げる。


「すみません……美味しく、なさそうですよね」


 本当にそう思われてたら、かなりショックですけど。


「ま、待ってください! 決して、そういう意味では無く!」
「美味しく無さそうだから、食べないんですよね、プロデューサーさん」
「美味しそうです! その……とても!」


 ですよね!
 だって、今日のお弁当、かなり良く出来たって、自分でも思ってたんです!


「じゃあ、食べてください♪」


 パン、と手を胸の前で合わせ、微笑みかける。
 しばし、静寂が訪れるも、遂には、


「……すみません、いただきます」


 その言葉を勝ち取った。


「はい、召し上がれ♪」


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