36:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/15(木) 23:19:07.57 ID:z0ZlMvOIo
――かえでちゃんって、めのいろかわってるね。
「っ……!」
飛び起き、はしないけれど、布団の中で少し体が跳ねた。
乱れそうになる呼吸を正すため、ゆっくりと、吸いて、吐いて。
右手で顔の上――両瞼の上から、目を抑える。
差し込んでくる朝日も完全に遮る、深い闇。
「……ふぅ」
なんとか、落ち着くことが出来た。
とっても昔の事なのに、まだ気にしているだなんて。
今はそんな事は無いと思っていたはずなのに、自分でも驚く。
「変わってる、か」
あの言葉を私に放った子は、悪気があった訳ではない。
子供特有の無邪気さが、他の人とは違う、私の瞳について疑問を持っただけ。
そう……右と左で色の違う、私の瞳に。
「……」
ベッドに寝転がりながら、ぼうっと白い天井を見つめる。
その白さが、私の瞳の色を吸い上げて、どちらの色も無くしてしまえば良いのに。
「なんて、ね」
ごろりと体を横にして、枕の感触を楽しむ。
枕に顔を押し付けようとしたら、額にフワリとした感触。
「……前髪、少し伸びたかしら」
整えに行かなくちゃいけないな、と考え、すぐに思考をやめた。
今は、ちょっとだけ何も考えたくないわ。
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