60:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/16(金) 23:10:41.03 ID:g+ryXGAuo
「あの、大丈夫ですか!?」
明らかに、彼女には異常が起きている。
しかしこれは……貧血や、体調不良とは、また違った症状に感じる。
だが、その正体はわからない。
「大丈夫……セーフ……出てない……漏れてない……!」
わかりたく、無かった。
彼女が此処に蹲っていたのは、その、便意が限界を迎えたからなのだろう。
しかし、大なり小なり、これは由々しき事態だ。
「……トイレまで、行けそうですか?」
由々しき事態ではあるのだが、先程までの焦りの反動か、
私は自分でも意外な程、事態に冷静に対処する事が出来た。
「……むり」
また、彼女を波が襲ったのだろう。
涙目で上ずった声を出す彼女は、フルフルと首を横に振った。
その視線は、私に助けを求めている。
「そう……ですか」
冷静に対処出来てはいるが、良い解決策が浮かぶ訳ではない。
だが、思考を止めるという事は、諦めるも同義。
「私が、手を貸しても……でしょうか?」
一人では立って歩けないのならば、いくらでも手を貸そう。
彼女の手を引き、トイレまでの道をゆっくりと歩んでいこう。
「駄目……触られたら――出る」
「……成る程」
カチリと、私の思考が止まった音が聞こえた気がした。
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