過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
1- 20
145:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:47:22.71 ID:sXivYPE/0
 ――気分を落ち着かせるため、屋上でタバコを吹かしながら思案する。

 案の定、良くない事だった。それもだいぶ。


以下略



146:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:49:49.78 ID:sXivYPE/0
 サマーフェスの勝敗は、視聴者とフェスの来場者、346グループの役員らの投票により決する。

 そして、346役員の1票が持つ重みは、視聴者分の何百倍、あるいは何千倍にもなるのが実態だ。


以下略



147:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:51:42.88 ID:sXivYPE/0
 一部の輩の気まぐれで、人の行く末など簡単に狂わされる。

 いつだって割を食うのは下っ端。カーストの底辺だ。

 この会社に限った話じゃない。これまでにも、同じような事を何度か経験してきた。
以下略



148:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:52:52.48 ID:sXivYPE/0
 彼女達は賢いから、いっそ本当の事を言ってあげた方が良いだろうか?

 いや――城ヶ崎さんは曲がった事が嫌いそうだから、絶対納得しないだろう。ダメだ。


以下略



149:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:54:47.67 ID:sXivYPE/0
 新しいタバコに火を付けて――よし、考えを整理しよう。


 まず、フェスのドッキリと称して、他課のプロデューサーに協力を求める。

以下略



150:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:57:54.97 ID:sXivYPE/0
 何て酷い事をするのだ、と、計画を知られれば思う人はいるかも知れない。

 まして、担当プロデューサーである俺が、自身の手で彼女達のステージを台無しにしようというのだから。


以下略



151:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:59:40.09 ID:sXivYPE/0
 そして俺は、この一件の責任を問われ、まんまとクビになるだろう。


 どのみち嫌気が差していた仕事だ。実際、こんな黒々とした話もあるし。

以下略



152:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:01:10.01 ID:sXivYPE/0
 という訳で、LIPPSは裏事情を知ること無く“悲劇のアイドル”としてより一層の注目を浴び、俺はこの業界を去る。

 こんなに良く出来たWin-Winがあるだろうか。


以下略



153:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:02:34.04 ID:sXivYPE/0
 次の日、さっそく事業一課のクマさんの元へ企画を持ちかける。

 別段誰でも良いのだが、彼の『シンデレラプロジェクト』は新進のアイドルを大勢擁するものだ。

 滅多なものでも無ければ、自身のアイドル達が目立てる機会をより多く欲している事だろう。
以下略



154:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:04:04.28 ID:sXivYPE/0
 工事現場の人達は、もうすっかり手懐ける事ができた。

 ちょっと高級のお菓子で餌付けすれば、彼らは大層有り難がってくれる。

 より良いコーディネートとシミュレーションのため、ステージの実態を正確に把握したい。
以下略



155:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:07:39.71 ID:sXivYPE/0
 そこは、下手すりゃ熊が出るほどド田舎にある支社。

 都心部から電車で約2時間――青梅線の果てにある奥多摩支社の事業五課が、俺の前の配属先だった。


以下略



769Res/709.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice