過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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151:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:59:40.09 ID:sXivYPE/0
 そして俺は、この一件の責任を問われ、まんまとクビになるだろう。


 どのみち嫌気が差していた仕事だ。実際、こんな黒々とした話もあるし。

以下略



152:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:01:10.01 ID:sXivYPE/0
 という訳で、LIPPSは裏事情を知ること無く“悲劇のアイドル”としてより一層の注目を浴び、俺はこの業界を去る。

 こんなに良く出来たWin-Winがあるだろうか。


以下略



153:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:02:34.04 ID:sXivYPE/0
 次の日、さっそく事業一課のクマさんの元へ企画を持ちかける。

 別段誰でも良いのだが、彼の『シンデレラプロジェクト』は新進のアイドルを大勢擁するものだ。

 滅多なものでも無ければ、自身のアイドル達が目立てる機会をより多く欲している事だろう。
以下略



154:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:04:04.28 ID:sXivYPE/0
 工事現場の人達は、もうすっかり手懐ける事ができた。

 ちょっと高級のお菓子で餌付けすれば、彼らは大層有り難がってくれる。

 より良いコーディネートとシミュレーションのため、ステージの実態を正確に把握したい。
以下略



155:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:07:39.71 ID:sXivYPE/0
 そこは、下手すりゃ熊が出るほどド田舎にある支社。

 都心部から電車で約2時間――青梅線の果てにある奥多摩支社の事業五課が、俺の前の配属先だった。


以下略



156:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:11:16.69 ID:sXivYPE/0
「どうだい? 本社勤務に戻ってみて」

 支社長は、本社で言う所の部長クラスに当たる。

 だが、この人は立場を気にせず、ヒラの俺の面倒を良く見てくれた恩人の一人だ。
以下略



157:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:15:35.38 ID:sXivYPE/0
「ふぅむ――フェスの後、できる限り彼女達のサポートをしてやってほしいと」

 オールバックさせた白髪を撫でながら、支社長は窓の外を見やった。

 万が一の事があった時、彼女達が行き場所に不自由する事が無いよう、手を回してほしい旨を伝えた。
以下略



158:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:17:00.23 ID:sXivYPE/0
「だがまぁ、よろしい」

 そう言いながら、支社長はフカフカの椅子から腰を上げた。

「キミの意向は分かった。
以下略



159:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:17:59.94 ID:sXivYPE/0
 一課に偽りのドッキリの協力を依頼し、アリバイとして機能させる。

 より自然な形で事故を起こすために現場へ赴き、何度も脳内でシミュレーションを重ねる。

 予定された不幸により、LIPPSは注目を浴び、俺はクビになる。
以下略



160:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:20:11.39 ID:sXivYPE/0
 サマーフェス本番の日は、生憎の天気だった。

 元々台風だった温帯低気圧が首都圏を通過し、朝からポツポツ降っていた雨は、リハが終わる頃には土砂降りになった。

 客の入りも、パッと見たところ、満員の半分といったところか。
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