過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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336:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:19:46.32 ID:78VDBhPt0
「んじゃ、ちょっくら行ってくるね」
「頼んだぞ」
「あいよー」

 軽い返事とは裏腹に、そこそこに強く地面を蹴り、周子は大通りの方へ駆けて行った。
以下略



337:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:22:07.55 ID:78VDBhPt0
 そう言ったきり、彼は黙り込んでしまい、私もつい、言葉を返すタイミングを失ってしまった。


 そんな事は無い、って、言い返すべきだったのか――それは、慰め?
 この人がそう言って、喜んでくれたかどうかは分からない。
以下略



338:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:24:38.07 ID:78VDBhPt0
 彼は私を連れ、黙って周子が向かった方とは逆の通りへ向かい、タクシーを拾った。

「渋谷駅へお願いします」
「あいよ」

以下略



339:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:27:01.36 ID:78VDBhPt0
「なぜって――偶然集まったからでしょう?」

 プロデューサーにスカウトされた周子が、たまたま私と一緒になったのも。
 たまたま一緒に地方営業の仕事をした美嘉が、それがウケたおかげで私達と一緒になったのも。

以下略



340:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:30:25.41 ID:78VDBhPt0
 プロデューサーは脚を組み、頬杖を付いて窓から流れる景色をボーッと眺めている。

「何か変だな、って違和感はあったんだ。あまりにも展開が急すぎた」
「急?」

以下略



341:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:33:12.47 ID:78VDBhPt0
「――誰かの恣意的な意思が働いていた、って言いたいの?」
「感じずにはいられない。杞憂であってほしいとは思うが、たぶんそうならない気はしている」


 ひとしきり喋って気持ちが少し落ち着いたのか、ため息を一つ吐いて、彼はすっきりした顔を向けてきた。
以下略



342:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:37:23.94 ID:78VDBhPt0
 (♪)

 シキちゃーん? シキちゃーん?

 あ、ちょっともしもし、そこのおにーさんしるぶぷれ〜♪
以下略



343:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:40:59.55 ID:78VDBhPt0
 (★)

 昼過ぎには会場に到着していた。
 お昼ご飯は、とってない。というより、食べる気になれない。

以下略



344:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:44:45.99 ID:78VDBhPt0
 アイドルは恋愛禁止、というのは、アタシ達の世界では常識だ。

 なぜなら、アイドルは皆のためのものでなければならないから。
 愛を、特定の誰か一人に向けてしまったら、それは他のファンへの裏切りにも等しい行為だ。

以下略



345:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:56:46.97 ID:78VDBhPt0
 それが、ファンの人達や、この業界に携わる人達――アタシ達を応援してくれる人達への礼儀。

 そして、志希ちゃんはそれを裏切った。

 あまりに軽薄としか言えない形で――。
以下略



346:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:00:16.76 ID:78VDBhPt0
「お待たせしましたー。
 えーそれではですね、番号順にお呼びしますので、呼ばれた方は控え室出て左手の――」


 どうやらようやく始まるみたい。
以下略



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