過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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420:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:04:15.29 ID:Ae62FiCR0
「売れすぎた?」

 それの何がいけないというの? 私は、彼の次の言葉を待った。

「現時点で言えば、LIPPSは高垣楓を脅かすほどに、急激に成長を遂げてきています。
以下略



421:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:17:11.71 ID:Ae62FiCR0
「何だと――!」
「僕だって嫌なんですよこんなの! でも、一番信憑性があると、上が一方的に決めたんです。
 それだけは勘弁して欲しいとお願いしたのですが、聞いてもらえなくて――!」

 テーブルの端を両手で掴み、体を前に乗り出させ、彼は泣きそうな顔で懇願する。
以下略



422:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:20:04.58 ID:Ae62FiCR0
「馬鹿な」
 プロデューサーはテーブルをドンッと叩いた。驚いた同じフロアの何人かがこちらを見る。
「それは346の転覆を謀る187プロの計略だ。まんまと乗せられているんだ」

「もしそうであるなら、それをそのまま彼に説得してほしいんです。どうかお願いします」
以下略



423:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:25:21.46 ID:Ae62FiCR0
「――すまない」


「お、アリさん達じゃないスか」

以下略



424:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:27:32.44 ID:Ae62FiCR0
「おっ? マジッスかイイッスねー! オレもクソ上司に言いたい事山ほどあるんスよ!」

「いや、本当大丈夫だって。俺とチーフだけで話に行きたいんだ」
「何だよツレねェじゃないッスか! イイッスよ行きましょ、場所どこ? あっち?」
「いや、ヤァさん、あの、ヤァさんが行くとまとまる話もまとまら――」
以下略



425:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:29:56.64 ID:Ae62FiCR0
 本当の事情は何なのか、とチビさんに聞かれたので、エレベーターの中で私は説明した。

 プロデューサーとアリさんが一瞬、私に振り向いたけれど、諦めたように視線を直す。
 どのみち、こうなってしまったら隠す方がナンセンスだもの。

以下略



426:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:31:27.81 ID:Ae62FiCR0
「お久しぶりです。どうも、以前どこかでお会いしましたよね?」

 並びの悪い歯をニカッと見せて握手を求めてきた。
 そんな彼を、プロデューサーは露骨に無視して足早に去る。

以下略



427:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:32:41.36 ID:Ae62FiCR0
 恰幅の良い、白髪のオールバックで、やや小麦色の肌をした茶色いスーツの老人は、プロデューサーに気づくとにこやかに手を挙げた。

「ご無沙汰しております」
「ハハハ、この間ウチに来てくれたばかりじゃないか」

以下略



428:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:34:34.26 ID:Ae62FiCR0
「支社長、折り入ってお願いがあります」

 神妙な面持ちで切り出したアリさんの次の言葉を待たずに、支社長は鋭く言い放った。
「どこまで話した?」

以下略



429:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:39:43.00 ID:Ae62FiCR0
「念のため聞くが、私にお願いしたい事とは?」

 ポケットに手を突っ込み、机におざなりに腰掛けながら、支社長はアリさんの顔を覗き込むように見た。

「先日、申し上げた事です。LIPPSを陥れる事を、どうか考え直していただけないでしょうか」
以下略



430:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:42:41.35 ID:Ae62FiCR0
「し、支社長は、アイドルのためを思っていたのでは――」
「思っているさ。大事なビジネスの種になるのならな」

 鼻を鳴らし、足を組み替えながら支社長は続ける。

以下略



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