過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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503:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 19:59:26.38 ID:m6szqZZ10
 渡された名刺の住所から最寄り駅を調べ、当日、その駅からタクシーで向かった。

 運ちゃんに事務所名を伝えると、小首を傾げた後「あぁ、あそこね」と合点した様子で車を走らせる。


以下略



504:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:02:02.71 ID:m6szqZZ10
 え――!?


 曰く、ここは961プロという別の事務所で、俺をスカウトしたおっさんは765プロの社長だという。

以下略



505:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:05:26.67 ID:m6szqZZ10
 ここまで来て何もせず帰ったら、何のために今日有給を取ったのか分からない。

 そんなくだらない貧乏性から、俺の足はその346プロなる事務所へ向けられていた。


以下略



506:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:07:22.49 ID:m6szqZZ10
 今西部長の口から伝えられたのは、俺にとって驚くべき内容だった。

「それでは、4月1日よりよろしく頼むよ。何か分からない事があれば、彼女に聞くと良い」


以下略



507:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:11:24.24 ID:m6szqZZ10
 どうやら、961プロから346プロへは、俺のことは優秀な人材として紹介されたらしい。

 明日にでも働きたいと、アイドル業界の未来を憂う期待のプロデューサーである、と。

 何考えてんだ、あのおっさん。
以下略



508:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:13:09.08 ID:m6szqZZ10
 曲がりなりにもコンサートホールの職員という事もあり、一般の人間よりは芸能分野に精通しているとでも思ったのだろうか。

 とはいえ、俺には当然、今の仕事がある。

 本来であれば、二つ返事でノーを突きつけるところであるが――。
以下略



509:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:14:35.88 ID:m6szqZZ10
「君には、おそらくここの仕事は退屈なんだろう。
 若く未来のある人間が、自分の力を持て余してはいけない」

 体良く自主退職を促しているのかとも思ったが、この館長さんは良い人だ。

以下略



510:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:17:58.28 ID:m6szqZZ10
 一年目、本社の事業三課に配属された。

 そこで一緒になったアリさんとは、当時から先輩後輩の間柄だった。

 彼は真面目で、俺は不真面目だから、アリさんはさぞかし扱いに困っただろうと思う。
以下略



511:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:20:27.02 ID:m6szqZZ10
 その子は、優秀だったと思う。

 ビジュアルはもちろん、ダンスもボーカルも、水準以上のものは優に備わっていた。

 オーディションを受ければ、同時期にデビューしたアイドル達などは相手にならず、楽々と合格できてしまう。
以下略



512:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:21:45.75 ID:m6szqZZ10
 アリさんは彼女を励ました。もちろん、俺もフォローした。

 次は上手くいくさ、頑張ろう――そう言うと、彼女も微笑みを返してくれた。


以下略



513:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:23:49.26 ID:m6szqZZ10
 最初は、仕事が忙しくて辛いのかな、と思った。

 無理しないで、キツかったらいくらでも休んでいいぞ。

 たとえ一日二日休んだ所で、今の君ならそう信用を無くすような事も無いだろう。
以下略



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