過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
↓ 1- 覧 板 20
512:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:21:45.75 ID:m6szqZZ10
アリさんは彼女を励ました。もちろん、俺もフォローした。
次は上手くいくさ、頑張ろう――そう言うと、彼女も微笑みを返してくれた。
513:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:23:49.26 ID:m6szqZZ10
最初は、仕事が忙しくて辛いのかな、と思った。
無理しないで、キツかったらいくらでも休んでいいぞ。
たとえ一日二日休んだ所で、今の君ならそう信用を無くすような事も無いだろう。
514:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:25:44.47 ID:m6szqZZ10
彼女は言った。
プロデューサーは、「これなら出来る」と私に期待して仕事を託してくれるのに、私はそれに応えることができない。
私なりに頑張れば頑張るほど、どんどん自分が見えなくなっていく。
515:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:27:34.96 ID:m6szqZZ10
とあるライブの日だった。
単独ライブではないが、そこそこ宣伝に金を掛けてもらっていた、小さくない規模のものだ。
516:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:30:29.12 ID:m6szqZZ10
その日の仕事は、当然キャンセルとなった。
それどころか、培ってきた業界への信用が台無しになったとして、346プロは彼女の起用を当面見送るとした。
アリさんは上層部へ直談判しに行ったが、無駄だった。
517:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:33:41.48 ID:m6szqZZ10
この会社は――というより、この国は良くない意味で優しい。
落ちこぼれの尻ぬぐいを、他の優秀な奴がやらされるシステムになっているのだ。
正直者が馬鹿を見る、というのであれば、尻ぬぐいさせる側に回った方が良いに決まっている。
518:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:36:46.35 ID:m6szqZZ10
奥多摩支社に配属されて三年が経とうとした頃、翌年度の本社入りが決まった。
鬱になった社員の穴埋めで、事業三課に戻る事になったのだ。
上手いことやりやがって、と思ったが、どうやらソイツの鬱は本物だという。
519:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:43:09.58 ID:m6szqZZ10
渋々街に繰り出して、めぼしい子を探してみる。
と言っても、これだけ人がいる中で、誰か一人を特定するというのは非常に難儀な事だ。
520:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:45:58.64 ID:m6szqZZ10
適当に声を掛け、喫茶店に招き入れる。
話を聞くと、どうやら彼女は京都の和菓子屋の娘らしい。
アイドルにもさして興味は無さそうだ。
521:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:49:18.71 ID:m6szqZZ10
その後については、特筆すべき事は無い。
いつの間にか城ヶ崎さんが合流し、間もなく連中の意向により宮本さん、一ノ瀬さんも仲間入りして、今に至る。
俺は、LIPPSの傍にたまたま居合わせたに過ぎず、能動的に彼女達を導いてきた事なんてただの一度として無かった。
769Res/709.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。