過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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526:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:01:16.35 ID:m6szqZZ10
「んーん、ちゃんと仕事してきたよ? 美嘉ちゃんの代打でね」
「代打?」
「オーディション、あたしが代わりに受けてきたんよ。
美嘉ちゃんを志希ちゃんのトコへ行かせる代わりにね」
527:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:03:01.82 ID:m6szqZZ10
プロデュ−サーさんは、缶ビールをもう一度煽って、それをデスクに置くと、頬杖をついた。
「塩見さんは――」
そう言いかけて、プロデューサーさんは止まり、かぶりを振った。
528:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:06:23.97 ID:m6szqZZ10
「あたし達のせい?」
別に、無理に続けてほしいワケじゃない。ただ――納得したかった。
「言っただろ。君達のせいで降りる訳じゃないよ」
529:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:09:50.22 ID:m6szqZZ10
「――もう君達が嫌いだ、顔も見たくない、だから辞める――と言えば納得するのか?」
「そーいう事じゃないってあーもー、ほんっと分かっとらんな」
握り拳で膝をトントンと叩く。こんのオッサンときたら――。
530:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:12:46.09 ID:m6szqZZ10
「まぁ、悪いようにはせんて。で、話を戻すけど――」
「さっき話した通りだよ。俺は君達に、アイドルを辞めてほしいんだ。夢破れて苦しむ前にな」
プロデューサーさんは、席を立ち、給湯器の方へ歩き出した。
531:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:15:12.92 ID:m6szqZZ10
「プロデューサーさんが思ってるほど、あたし達、そこまでヤワじゃないしさ」
二口目を啜ろうとした手を止めて、プロデューサーさんはあたしの顔を見る。
532:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:18:54.57 ID:m6szqZZ10
「君は、次のステージでもし勝てなかったら、どうなるんだ」
恐れを隠すように、ひどく神妙な面持ちでプロデューサーさんがあたしに問いかける。
そんなさ、大袈裟に構えんでもええのに。
533:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:22:10.37 ID:m6szqZZ10
プロデューサーさんは、しばらく黙ってあたしの顔を見た後、思い出したようにコーヒーを啜った。
「――興味深い話をありがとう。参考になったよ」
「おっ、手厳しいねー。
プロデューサーさんなら、もっと素直に「随分とよく喋るな」とかって皮肉ると思ったのに」
534:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:25:14.55 ID:m6szqZZ10
――意外っちゃあ意外だけど、さっきまでのこの人の話を聞いてたら、そうですかぁという感じだ。
肯定できないけど、理解はできるっていうか?
ふふっ――。
535:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:28:00.94 ID:m6szqZZ10
「タクシー呼ぶよ」
「いい。雨も少し弱まってるみたいだし」
でも、と言ってプロデューサーさんが反論しかけるのを、あたしは指で制してニカッと笑ってみせた。
「昼間にもらったタクシー代の残りもあるしさ?」
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