過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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589:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:58:45.52 ID:m6szqZZ10
「――あれ?」

 フラフラになりながら事務室の扉を開けると、ちょうどアリさんが退社する所だった。

「お疲れ様です。ひょっとして、これから残業ですか?」
以下略



590:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:00:52.98 ID:taHfCPeM0
「まぁ、僕達の仕事は、あまり暇なようでは困りますしね。彼女達のためにも」

 そう言って、彼は肩をすくめて、ニコッと笑う。

 聞くと、今日は外部のライブコーディネーターと当日の演出について協議した後、彼女達のレッスンに付きっきりになって、トレーナー達と今後の調整方針についてミーティングしていたらしい。
以下略



591:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:02:57.90 ID:taHfCPeM0
 アリさんがコートを羽織り、マフラーを巻いて出て行くのを、ボーッと後ろから眺める。

 マフラー――?


以下略



592:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:06:37.97 ID:taHfCPeM0
 こんな事をして、何になる。

 彼女達のためになるかどうかなんて、まるで分からないし、逆に足を引っ張っている可能性すらあるのだ。

 注目度が高まる事自体は悪くないが、必ずしもLIPPSを好いてくれる人の目にばかり留まるとも限らない。
以下略



593:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:09:37.02 ID:taHfCPeM0
 ――納得かな。

 そうだな、たぶん納得が欲しいんだろうなと思う。自分なりの。

 俺はできる限りの事をしたのだ、それでも上り詰めることが出来なかったのならしょうがない、と言える――そう、言い訳が欲しかった。
以下略



594:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:13:13.13 ID:taHfCPeM0
 コーヒーをグッと飲み干し、パソコンを立ち上げる。

 明日の営業先は、午前中2件、午後が3件。

 うち、午後の最後は例のお偉方。強敵だ。だが、味方にできれば最も心強い相手とも言える。
以下略



595:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:16:25.09 ID:taHfCPeM0
 (◇)

「ジョークだって?」

 チビさんが大きな声を上げた。
以下略



596:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:19:06.26 ID:taHfCPeM0
「心配せんでええって、あたし口軽いから」
「白々しい事言ってんじゃ――って軽くちゃダメでしょ!」
「アッハッハ」

「ギブアンドテイク、って、チビさん知らん?」
以下略



597:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:25:07.35 ID:taHfCPeM0
「そうそう、思い出した」
 チビさんは、何やら愉快そうに手を叩いた。

「ヤァさんがあの人にさ、タバコを使った営業トークっていうか、一つのテクとして伝授したのがあったみたいでさ」
「ふーん?」
以下略



598:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:27:01.01 ID:taHfCPeM0
「ところで、187プロはどう? 何か最近イヤな事してきてんの?」
 思い出したように、チビさんはジュースを飲みながら聞いてきた。

「いや、最近は普通。この間、前話した子達とLINE交換したよ」
「え、187プロの連中と?」
以下略



599:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:29:46.75 ID:taHfCPeM0
「その子達から内情を聞いてみても、187プロの中でも、346を潰せと躍起になってるのはお偉方だけみたいだね。
 実際に働いてるプロデューサーとか、アイドルの子達は、なんかもうそういうの面倒くさい風潮になってるみたい」
「へー、そうなんだ」

 両手を頭の後ろに組みながら、チビさんは背もたれに寄りかかり天井を仰いだ。
以下略



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