過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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596:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:19:06.26 ID:taHfCPeM0
「心配せんでええって、あたし口軽いから」
「白々しい事言ってんじゃ――って軽くちゃダメでしょ!」
「アッハッハ」
「ギブアンドテイク、って、チビさん知らん?」
597:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:25:07.35 ID:taHfCPeM0
「そうそう、思い出した」
チビさんは、何やら愉快そうに手を叩いた。
「ヤァさんがあの人にさ、タバコを使った営業トークっていうか、一つのテクとして伝授したのがあったみたいでさ」
「ふーん?」
598:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:27:01.01 ID:taHfCPeM0
「ところで、187プロはどう? 何か最近イヤな事してきてんの?」
思い出したように、チビさんはジュースを飲みながら聞いてきた。
「いや、最近は普通。この間、前話した子達とLINE交換したよ」
「え、187プロの連中と?」
599:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:29:46.75 ID:taHfCPeM0
「その子達から内情を聞いてみても、187プロの中でも、346を潰せと躍起になってるのはお偉方だけみたいだね。
実際に働いてるプロデューサーとか、アイドルの子達は、なんかもうそういうの面倒くさい風潮になってるみたい」
「へー、そうなんだ」
両手を頭の後ろに組みながら、チビさんは背もたれに寄りかかり天井を仰いだ。
600:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:34:20.64 ID:taHfCPeM0
「私が、ですか?」
事務室の応接スペースで、間の抜けたプロデューサーさんの声が響いた。
あたしはフレちゃんと一緒に、彼らの隣で素知らぬ顔でゲームしてる。
601:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:36:54.03 ID:taHfCPeM0
「――騒々しいぞ」
「ははは、まぁまぁ」
プロデューサーさんをなだめつつ、チーフさんは話を続ける。
602:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:39:08.78 ID:taHfCPeM0
それからというもの、レッスンにはチーフさんと一緒に、プロデューサーさんも立ち会う事が増えた。
と言っても、口出しするのは専らチーフさんで、プロデューサーさんはつまんなそうに黙って突っ立ってるだけ。
603:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:41:46.57 ID:taHfCPeM0
ま、美嘉ちゃんは心配性で気ぃ遣いだからしょうがない、ってカンジで方針は結局変わらないまま、レッスンはつつがなく終わった。
次の用事まではちょっと間があったので、テキトーに中庭でブラブラしてたら、プロデューサーさんがいた。
で、一緒にどっか散歩でも、ってなって、今事務所の外の公園のベンチにボーッと二人で座ってる。
604:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:44:02.73 ID:taHfCPeM0
「ほぉ、楓さんと?」
あたしの楓さんの呼び方が、思った以上に随分親しげに聞こえたらしい。
プロデューサーさんは、目を丸くしてあたしを見てる。
605:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:45:47.39 ID:taHfCPeM0
「当日は、服部さんと一緒に、LIPPSのライブを見に行こうと思います――ってさ」
「服部さん――って、あの、プロデューサーさんが最初に担当してたって人?」
そして、優しすぎて、背負いすぎて、辞めてしまった人。
606:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:50:16.35 ID:taHfCPeM0
口元に寄せたタバコが、すっかり短くなっていた事に気づくと、プロデューサーはそれを携帯灰皿に落とした。
「――俺を恨んでいるかな、って」
「えっ?」
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