過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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663:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 21:59:45.76 ID:vQzT5qlo0
ようやく落ち着きを取り戻した城ヶ崎さんは、目尻に溜まった涙を指で拭う。
「もう、せっかく時間かけてメイクキメたのに、またやり直しじゃん」
呆れるように笑いながら彼女は言うが、呆れてるのはこっちだ。俺のせいかよ。
「でも――ありがとう、プロデューサー。本番前に、プロデューサーの話聞けて、ホントに良かった」
彼女達にとっては、ネガティブな事しか言えてなかった気がするけど、喜んでもらえたのなら何より――。
「それと、後で説教だね」
――ん?
「未だにアタシ達に、やれ夢を見るのはやめろとか、アイドルを辞めた後の幸せがとか、お門違いにも程があるよ。
それがプロデューサーなりの優しさなのは知ってるけど、アタシ達はまだ半分も満足できちゃいないんだから★ ね、奏ちゃん?」
「えぇ、美嘉の言う通りよ」
速水さんは組んでいた腕を解き、片方の握り拳を口元に寄せ、忍ぶように笑った。
「いかに自分がおかしな事を言っているのか、それを分からせてあげる必要が、あなたにはあるようね」
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