過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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718:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:28:38.35 ID:qh1EHTqN0
 今西部長に根回しをしたところ、それが耳に届いたのか、直接常務に呼ばれる事になった。


「私も、考えていたスポットが無い訳ではない」

以下略



719:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:29:46.54 ID:qh1EHTqN0
「愛していないのか、ですか?」

 俺は、美城さんの次に続く言葉を予想し、尋ねた。

 彼女はその姿勢を崩さぬまま、沈黙を貫いている――どうやら当りらしい。
以下略



720:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:34:17.68 ID:qh1EHTqN0
 十中八九、ヤァさんから漏れたのは容易に想像できた。

 そして案の定、最も反対の意を示したのは城ヶ崎さんだった。

 俺のデスクを悔しそうに何度も叩くので、その上にあるコーヒーが零れてしまったが、彼女は意に介さない。
以下略



721:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:36:51.39 ID:qh1EHTqN0
 今の彼女を納得させるのは難しい――しかし、反論を封じるのは、それほど苦ではなかった。


「意外と何とかなるもんだって、教えてくれたのはそっちだろう。心配するな」

以下略



722:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:42:09.08 ID:qh1EHTqN0
 765プロも考えたが、あそこは規模も小さいし、おそらく職場の人間同士の距離感も近い。

 ウェットな人間関係というだけでも辛いが、何より聞き捨てならないのは、近く所属アイドルを100人単位で増員するとの噂があるのだ。

 あの事業規模で、潤沢なプロデューサーの増員がそう出来るとも思えない。
以下略



723:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:44:07.90 ID:qh1EHTqN0
 親父の後を継ぐつもりは毛頭無いが、少しは自分に馴染みのある土俵で、何かしら資格は取っといた方が良い。

 俺は、ようやく手に職を持つ事の重要性を感じた。

 今から国試の勉強をして、いつか受かる日が来るのかと聞かれれば、それは分からない。
以下略



724:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:49:00.20 ID:qh1EHTqN0
 寒さも少しずつ和らいできた3月、正式に俺の事業一課への転属が決まった。

 その日は、近しい間柄であるいつもの三課のプロデューサー陣でヒッソリと祝ってもらったが、話題はLiPPSの事ばかりだ。

 もう俺が面倒を見る事の無い子達の話など、したってしょうがないのに、殊更に彼らはその話題を変えようとしない。
以下略



725:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:54:19.70 ID:qh1EHTqN0
 速水さんを担当してた俺の前任の鬱が回復したっていうから、そいつが俺のデスクに戻るんじゃないのか?

 で、俺が一課の高垣さんのプロデューサーになって、ヒゲさんが奥多摩に行くという玉突き人事だと解釈していた。

 だから、後任は必然的にそいつになると思っていたんだけど、どうやら違うようだ。
以下略



726:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:59:21.85 ID:qh1EHTqN0
 そして、ようやく――。

 ようやく? ――そう、ようやくだ。

 その日がやってきた。
以下略



727:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:00:53.91 ID:qh1EHTqN0
 改めて、タバコに火を付け、プカーっと天井に向けて吐いた。

 ゼムクリップで留めた一式をパラパラと捲ってみる。

 インデックスも付けておくべきだったが――もういい、諦めよう。
以下略



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