【艦これ】大鳳「衣食住に娯楽の揃った鎮守府」浦風「深海棲艦も居るんじゃ」
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773: ◆UeZ8dRl.OE[sage saga]
2018/03/08(木) 23:42:16.80 ID:NfR/XS+M0
 徐々に鎮守府での生活も慣れてきて、ただの艦娘としてこのまま過ごしていけるかと思った、秋の夜。姉二人より先に風呂から上がり部屋へ戻ると、昔のように音もなく、彼女は窓辺に立っていた。

「――久しぶり、“月光”」

「……」

「とりあえず、表出てからでいい? 今は風呂入ってるけど、十分もしたら二人とも戻ってくるし」

「十分もいりません。このまま――特務を遂行します」

「相変わらず融通きかねぇなー全くもうっ!」

 接近主体の元相棒の力量はよく知っている。正直言って、本気で来られたら一分ももたない。
 それでも、せめて僅かの間楽しい時間を過ごせたこの部屋を自分の血で汚したくはなかった。

(なんとか気を逸らして外へ――)

「随分、甘くなりましたね!」

「ぐぅっ!?」

 脇をすり抜けようとした途端、横っ腹に強烈な一撃をもらい壁まで吹き飛ばされる。なんとか受け身はとれたものの、状況は絶望的だった。

「……殺らないの?」

「……」

 目の前で鈍く光っている鉄の爪。彼女がその気になれば、一瞬で自分の首は宙を舞うだろう。
 しかし、いつまで経ってもその瞬間は訪れなかった。

「……て」

「?」

「どうして?」

 消え入りそうなか細い声と、頬を伝い落ちた雫。それを見たとき、ようやく気付いた。
 ――私は、逃げ出した理由を置いてきてしまっていたんだ。

「……三日月ってさ、シャンプーとか使ったことある?」

「シャンプー……? いったい何を言って――っ!?」

 咄嗟に手元に隠したトラベル用のシャンプーを顔に向かって投げつけ、同時に突進して押し倒す。長い付き合いで反射的に爪で防御することはわかっていたからこそ、出来たことだ。
 物騒なものが床に当たって忙しなく音を立てているが、気にしている余裕はない。

「こっの、ちょっ、暴れんなってば!?」

「私は、零番隊旗艦として特務放棄を許すわけにはいかないのっ!」

「そんなめんどくさいもんに縛られて生きてて楽しいのかよっ!」

「だって、私も貴女もそれしか生き方を知らないじゃない!」

「ずっと見てたなら分かんじゃん!」

「分かりません!」




「――おりょ? 喧嘩?」


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