462:名無しNIPPER[saga]
2016/12/22(木) 20:17:59.45 ID:MtR4TCak0
ひとまず落ち着きを取り戻したフラン。胸の中にはじんわりと温もりを感じていた。このツギハギだらけの身体を、『人間』であるマスターにみられたらどうなるのか。この身体にあの人の目が触れた瞬間、化け物を見るような目で見られるのではないか。マスターはきっと一瞬だけ、一瞬だけその色を瞳に浮かばせ、それでいて、何事も無いように振る舞うのだろう。
フランにはそれが何より恐ろしかった。かつて一度絶望を味わったからこそ、信頼していた人に再び化け物と見られることは何よりも恐ろしく、耐え難い苦しみだった。けれど、ああ、けれど、このマスターは何一つ表情を変えず、ただ、欲望のままに自分の身体を愉しみたいと言ったのだ。
端から見れば、それは下衆以外の何物でもない。けれどこの時、この瞬間に限っては、彼の言葉はフランの心の鎖をまた一つ、砕くきっかけになったのだった。
しかしそれはそれとしてだ。
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