34: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 20:20:41.78 ID:4yJ+Tv6jO
逆方向に振り返る。
上林さんと目があった。
なんでかな。
彼女がボールを投げたそうにしているのが直感的にわかった。
「はい、パス」
彼女に放り投げた。
と、渡してから視線を感じた。
やすはともちろんみやちゃん。
横目で確認して、気が付かないふりをした。
上林さんは嬉しそうに一歩、二歩走り出した。
が、三歩目で何につまづいたのか、恐らく何もなかったはずなんだけど、こけた。
私を下敷きにして。
「きゃあ!?」
「ぶへッ!?」
私は顔面から落ちて、地面とキスする羽目になった。
土の匂い。肌と言う肌に小さな石ころが突き刺さったような痛み。
なにより、おでこが痛い。
そして、重くはないけど、上林さんの肘が私の脇腹にめり込んでいて、泣きそうなくらい非情な激痛。
笛が鳴った。
男子の誰かがレッドカード! と叫んだ。
130Res/101.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20