50: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/30(月) 22:22:21.81 ID:Rtz9/qwYO
乗車時間は長かったが、近隣の女子が持ってきたお菓子を広げてトランプやらオセロやらをしているうちにけっこう時間を潰すことができた。
小学生とやっても楽しいゲームって、もしかしてよくできているのかもしれない。
通路側にいたやすはがいつの間にかゆらゆらと揺れていた。ご丁寧に、両手はきちんと膝の上に乗せている。
私の肩にこつんと頭が当たった。そろりと顔を覗く。寝てしまったみたい。
周りを見渡すと、まだ、旅は始まったばかりだと言うのに似たような子どもが多かった。
「みやちゃん、やすは見てよ、寝ちゃった」
と、みやちゃんの方を見やる。
返事はない。
「みやちゃん?」
「……」
みやちゃんは首の座ってない赤ちゃんみたいに頭を揺らしていた。
おまえもか、ブルータス。
「ちょ」
私一人置いて、二人とも夢の世界にいったみたい。
こてんと反対側の肩に重みが加わった。
軽いけど、さすがに両肩はきついな。
視線を感じた。
「うわー……」
目の前に座っていた上林さんが、座席シートにあごを乗せて覗いていた。
「あなた、なに、にやついてるの」
あなた、と言われてどきりとする。彼女のあなたは、まるで本当の私に語りかけているようだ。
「可愛いでしょ」
まるで我が子を自慢するかのように言った。
上林さんは呆れた目で、また席に座り直した。
130Res/101.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20