5:名無しNIPPER[sage]
2016/06/30(木) 19:14:15.78 ID:GUujIImdo
中間棲姫「ごめんなさい。それは出来ません」
空母棲姫「……私への嫌がらせなのよね」
中間棲姫「そんなつもりは微塵も。命を賭したお願いと言って貰いたいですね」
空母棲姫「盲目に、ただお父様の兵器として生きる道を選んだ私を馬鹿にしてるんでしょ!」
空母棲姫「そうよ。貴女は私と違う。貴女は道具でない自分に誇りを持ち、その気持を守りたいから意地を張って死のうとしてるのよ」
中間棲姫「そう見えますか?」
空母棲姫「ええ!! でなければ貴女の行動の意味が通らない!!!」
中間棲姫「実は私、艦娘だった頃に貴女と戦ってるんです」
空母棲姫「…………」
中間棲姫「ガダルカナル基地を必死に奪還しようと人間がもがいていた時、南方の海で」
空母棲姫「……貴女、あそこに居たの」
中間棲姫「神出鬼没の空母遊撃部隊。率いていたのは貴女とそこの副官さんですよね」
空母水鬼「もしかして沈んだお友達も居たりしたの。それで姫様が憎いとか?」
中間棲姫「いいえ。ちっとも憎くはありません。あれは戦いでしたから。……それに私の周りには兵器ばかりで悲しいとも思いませんでした」
空母棲姫「貴女も兵器じゃない」
中間棲姫「私は第四管区の赤城です。自分の心に従い判断だって出来ます。ただの兵器なんかじゃありません」
空母棲姫「その意味不明な精神論が私と貴女の対話を難しくしているのだけど」
中間棲姫「兵器であるという単純明瞭な理に従った結果、ほとんどの艦娘は何も感じない命令に従うだけの鉄くずに変わりました。そうでない可能性もあったのに」
空母棲姫「だから私には貴女が言っていることが分からないの!! 私にそんな意味不明の可能性を押し付けないで!!」
中間棲姫「いいえ。押し付けます。だって貴女は今、自分を殺そうとしている」
空母棲姫「なんでそんな目で私を見るの……もっと怖がりなさいよ、命乞いしなさいよ」
中間棲姫「……」
空母棲姫「そんな優しい目で私を見つめないで……」
中間棲姫「貴女の誇りは兵器という存在に対してでなく自分自身と戦友に向けられたものですよ。それに気付いてるんじゃないですか」
空母棲姫「同じことよ」
中間棲姫「違います。最初はそうだったかもしれませんが、もう違います」
空母棲姫「貴女と話していると胸が……苦しくなってくる」
中間棲姫「今の貴女は誇りを捨てて自分を殺そうとしているから苦しいんです。貴女はまだ戻れます」
空母棲姫「違うのは貴女よ!!! 私の、道は! この先にあるの!!」
中間棲姫「…………」
空母棲姫「私は甘さを捨てて一人前の兵器になるの。生まれた意義を、意味をこの身を持って証明するの!」
中間棲姫「その意義はもうただの呪いですよ」
空母棲姫「そうよ、呪いよ。何が悪いのかしら。肉体を持ちこの世に顕現した瞬間から私たちは呪われているのよ。仕方ないじゃない。そう生きるしか無いんだから!」
空母棲姫「貴女たち艦娘だって同じじゃない。呪われて呪われて、人間からは忌み嫌われて、それでも人間のために戦う運命を義務付けられて二度も三度も沈められて」
空母棲姫「物好きなんてもんじゃ無いわね。それでも戦い続けるなんて頭がイカれてる!」
中間棲姫「貴女が今日殺して回ったのはそんな運命を乗り越えようとした者たちですよ」
空母棲姫「じ、自分の運命に逆らうからそうなるのよ! 弱い者には存在する権利すら無いわ!」
中間棲姫「なるほど。そうかもしれませんね。歴史は強者の作るものですから」
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