7: ◆mZYQsYPte.[saga sage]
2016/06/30(木) 19:22:34.14 ID:GUujIImdo
交信で七位の声が聞こえたのはここまでだった。
突如現れたブレインの命令に従い、待機していた深海棲艦が砲撃を再開しその砲音で何もかもが塗り潰される。
水柱と砲弾煙により中間棲姫の安否は不明だったが、爆発が起こるということは効果的な攻撃が与えられている、つまり相手の反重力デバイスによる戦法を相殺していることと同義だった。
斉射が終わると静寂が訪れた。
空母水鬼「な、何して……」
離島棲鬼「敵を攻撃しただけですが? ねぇ第八位様?」
空母棲姫「勝手に!!」
激情に駆られ私は無意識の内に離島棲鬼の胸元を掴んでいた。
離島棲鬼「何ですかこの手は」
空母棲姫「……少し驚いただけよ。私の前で独断専行はやめなさい」パッ
離島棲鬼「敵はなるべく早く叩くことをお勧めしますわ」
空母棲姫「貴女ごときに言われずとも分かっています!」
離島棲鬼「なら良いのですが?」クスクス
深海棲艦の索敵レーダーは感覚に依存する。
そのため物理法則を超えて長距離からの探知が可能となるのだが感覚故の弱点もある。
離島棲鬼「おしゃべりに集中する余り私の接近を見逃すなんて……仮にもミッドウェーを任された者としてどうなのでしょうね」
水柱が収まったとき、中間棲姫は水面に倒れていた。
中間棲姫「……直撃弾は久しぶりですね」
中間棲姫「そうね……貴女がお腹に大穴開けた時以来じゃないかしら」
中間棲姫「そうかも……しれません」
先ほど八位たちと喋っていた時よりも遥かにか細い、弱々しい声。
ふらつきながらもなんとか立ち上がり周囲の状況を確認する。
中間棲姫「生体リンクが切れてますね……まさか」
中間棲姫「ちょっと……グラーフ、返事しなさいよ」
グラーフ「……」
彼女たちの良き下僕は上半分の殆どを失い息絶えていた。
中間棲姫「……私たちより先に逝くなんて親不孝です」ポロポロ
中間棲姫「やめなさいよ。貴女が泣くと……貴女の目は私の目でもあるんだから」ポロポロ
中間棲姫「……自分に対して強がらなくても良いんじゃないですか?」
中間棲姫「ああそうよ、悪かったわね。私だって悲しくて泣くことくらいあるんだから」
中間棲姫「グラーフ………………今までありがとうございました」
中間棲姫「……貴方のことは絶対忘れないわ」
主人たちの別れの言葉聞くと、まるでそれを待っていたかのようなタイミングで艤装は浮力を失い海中へと姿を消した。
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