37:友達と、いつもの日常 ◆uFgKAeBDKs[saga]
2016/07/31(日) 16:43:14.14 ID:5LOgFkBWO
咲「なんかああいうの見てると、いいよねぇ」
和♂「え、ええ…まぁ」
確かに、最近の優希と須賀君は仲睦まじい。
が、そんな須賀君を愛しげに見つめる咲さん。
私にとってはそっちの方が気になってしまう。
気が気でないし、ちょっと面白くない。
なので私も、早々に奥の手を使うことにした。
和♂「咲さん、お弁当作ってきたんです」
咲「…ひょっとして和ちゃん、私と優希ちゃん重ねて見てない?」
咲「……まさか餌付け?」
ちょっと露骨すぎたでしょうか。
咲さんは不満げに私を見上げ、頬をぷくっと膨らませた。
そのあまりに可愛らしい仕草に頬が緩みそうになるのをぐっとこらえ、努めて冷静に答える。
和♂「まさか。誤解ですよ」
咲「どーかしらねー。なーんか最近の和ちゃんは、私を妙に子ども扱いしてる節があるんだよね」
和♂「子供扱い?」
咲「ほら、荷物運びとか。重いもの、全然私に任せてくれないじゃない?」
咲さんは拗ねた調子で唇を尖らせる。
和♂「ああ。咲さん…それは…」
和♂(それは子供扱いではなくて、女の子扱いです。咲さん……)ズキッ
言えるはずもない言葉を胸にしまう。
まるで届いてないアピールについため息が漏れた。
和♂「……食べないのでしたら、一人で食べちゃいますね」ツンッ
咲「わわっ、頂きます和ちゃん!」アセアセ
和♂「はいっ。召し上がれ、咲さん」
何もなかったように箸を受け渡しながら、二人して笑う。
こんな何気ないやり取りが、たまらなく嬉しい。
満面の笑みで小動物のように玉子焼きを口に運ぶ咲さんの柔らかそうな唇を眺めながら、そんな小さな幸せを噛み締める。
『重箱の隅を楊枝でほじくる』なんて言葉があるけど。
咲さんが私の重箱の端のご飯粒まで食べてくれると、嬉しい気持ちが止まらない。
気に入ってくれたかな、という嬉しい不安。
一緒にいて幸せ。この笑顔が好き。
温かい感情が胸の奥に押し寄せてくる。
和♂(この気持ちはいったい…?)
私が女だった時から感じていて、今もなお加速し続けている感情。
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