9:名無しNIPPER
2016/07/10(日) 22:38:41.27 ID:xZB/hCGiO
……名前を呼ばれた気がした。
咲「?」
優希「な、なんだじょ……?」
目の前には、息切れしながら走り寄ってくるピンク髪の男子。
そんな知り合いかもしれない男子は、私にとっては間違いなく名前も知らない人だった。
「あ、あの!私……えっと。その……咲さん…」
咲「……?」
優希「誰だじぇ?」
覚えのない縋るような視線に、私達はただ戸惑うばかり
でも私たち以上に、目の前のピンク髪の男子の方が切羽詰まっている様子。
理由は、まだよくわからない。ただ必死な眼差しに、只事でない予感はひしひしと伝わってくる。
そんな空気を感じ取ったのか、それとも興味本位か。通りすがる他の生徒たちも何事かとちらちら私たちの方を見てくる。
咲「あ、あの…な、なんでしょう…」
咲(恥ずかしい…)
できれば早く終わってくれないかな…、と内心願いつつ、顔を見上げる。
私と目前の彼の間にはだいぶ身長差があり、向かい合っていると上向くだけで顔を覗き込めてしまう。
眉に少し掛かるサラサラなピンクの前髪。
走ったせいで少し着崩れた、何故か第一ボタンまで締められた夏服。
苦しそうに歪んだ中性的で整った顔。
入学仕立ての中学生みたいなあどけなさに、ちょっと可愛いかも…なんて思った。
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