谷間の百合 (オリジナル百合)
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23: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/07/27(水) 14:45:27.49 ID:Li1QhE+X0
夜。
ナツの隣に布団を敷いて、横並びに寝た。
昨日まであれだけ一緒に寝るのが嫌だったのに、
今日はなぜか嫌だと感じだから、いるだけで安堵している自分がいた。
ナツはこちらに背を向けて、癖なのか体を小さく丸めてダンゴムシみたいに眠る。
まるで、ずっと狭い場所に閉じ込められていた人のように。

「ナツ、起きてる」

「寝てます」

「ねえ、どうして、両親を殺したの」

ナツは振り向かなかった。

「キスをくれないと思ったからです。キスが欲しかったのは、たぶん彼らだったのです。それに気が付くまで、私はビンで殴られても、お腹を蹴られても、ライターで瞳を焼かれそうになっても、我慢していました。最終的に、包丁で刺されそうになったので、突き飛ばしましたが打ちどころが悪かったみたいでそのまま死んでしまいました。それが、母。父は帰ってきて、何か意味不明ことを言って襲いかかってきたので、包丁で刺しました」

台本でもあるのか、今までも何度も聞かれたのか、詰まることなくすらすらと言った。

「法律は私に優しかったです。そう、両親よりも。帰る場所が無くなってしまったので、私は祖父母の下に行きました」

「そこでの暮らしは、良かった?」

ナツの話は聞けば聞くほど恐ろしいのに、
どうして私は彼女の話を聞きたいと思ってしまうのだろう。

「ええ。彼らは、美味しいご飯と温かい布団をくれました。そして、キスの話を笑わずに聞いてくれました。私が彼らのために何か一つするたびに、彼らは私にをキスをくれました」

ナツはそこで、上半身を片腕で持ち上げて、
私の方に覆いかぶさってきた。

「ちょ、なに?」

顔が近づいてくる。

「こんな風に」

ぎゅうと目を閉じた。
頬にキスをされた。
ゆっくりと、体を離していく。
ナツが豆電球の下で、私を見下ろしていた。

「ありがとう。ありがとう。えらい、えらい。嬉しい。嬉しい。そう言って、祖父母はいつもキスをくれました」




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