229:名無しNIPPER[saga]
2016/08/05(金) 23:07:14.28 ID:0/G1P+FM0
女 王「ええ、かつて森はこの大地のほぼ全てを覆い尽くし、私たちもまた世界に遍く住み暮らしていました」
女 王「しかし、私たちの存在が気に入らなかったのか貴方方の祖先は私たちの祖先を攻めてきました」
女 王「そして住処を奪われて更に森の奥深くに隠れ住んだエルフたちの末裔が今の私たちなのです」
女 王「かつても、そして現在もまた人間によって住処を奪われようとしています。いえ、住処どころか我々エルフを奴隷として慰み者にしているという始末……」
女 王「その怒りや恨みは年を重ね薄らいではいるものの、奴隷にされている仲間がまだ数多くいるなど、やはり人間そのものに対する忌避の念はぬぐえません」
女 王「それなのにどうして人間と手を取り合うことなどできましょうか?刃を向け合うことこそあれ、共存共栄など在り得ません」
男 「……ですが」
女 王「なんでしょう?」
男 「恐れながら申し上げます。仮にエルフが弓を取ったとして、人間にかなうはずがありません」
男 「一国と争うだけなら勝てる可能性は零ではないでしょう。しかし、一度エルフがその姿を人前に表せば全ての人間が敵となりましょう」
男 「陛下自身が仰られたように人間はエルフをその美しさ故に奴隷として手元に置いておきたがります」
男 「エルフが集団でいたとなれば何が何でも捕まえようとします。それはどの国でも同じことでしょう」
女 王「どの国も同じと言うのなら、それは貴方の国でも同じことではないのですか?」
男 「いえ、我が国の王は断じてそのようなことはいたしません。国王もまた奴隷であった故に」
女 王「上に立つ者というのは弁が立つもの、口先だけは美しく飾り立てているのやもしれません」
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