231:名無しNIPPER[saga]
2016/08/05(金) 23:09:33.85 ID:0/G1P+FM0
男 「――――高慢と思われるでしょうが、私は人もエルフも守りたいのです」
女 王「……貴方は今リョウシなるものを生業にしていると聞いています」
男 「はい」
女 王「何でもリョウシとは生き物を捕らえてそれを食べたり通貨に換えたりして生活をする者だとか」
男 「はい、その通りでございます」
女 王「その辺りのことは文化の違いということで今回は不問にするとして、私が聞きたいのは何故貴方がそのような生き方をされていたのかです」
女 王「もし本当に虐げられた者たちを救いたいというお考えであったならば、そんな生き方はせず自身の国だけでなく他国でもエルフや奴隷を解放しようとするはずではないですか?」
男 「お言葉通りです。本来ならば私は猟師などしているべきではありませんでした」
男 「ですが、そこには私一人の責任では済まない様々な事情があったのです。想いだけではどうにもできない問題が」
男 「そもそも奴隷制度の撤廃を掲げる我が国は他国から見て面白いものではありません」
男 「例えば、仮に私が他国に潜入してエルフや奴隷を解放したとします。当然その国の兵士たちが追いかけてくるでしょう。そして私たちの逃げる先は我が国しかありません」
男 「逃げ延びることができたとしても、それは他国の財産を不当に奪ったと同義であり、連中に我が国を責める恰好の口実を与えることになるのです」
男 「そうなれば奴隷を奪われた国と我が国は間違いなく戦争となります。そしてそれは、どの他国においても同じことでしょう」
男 「虐げられた者たちを救うことが戦争につながるとなれば、私一人のせいで我が国は無辜の民の万の血と共に沈んでしまうのです」
女 王「……だから、助けたくても助けられない、と?」
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