10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/08(月) 10:09:29.75 ID:kBwL+6AoO
「おお。龍人くんと、静流ちゃん」
龍人「おはようございます」
静流「透さん。愛さんはいらっしゃいますか?」
ドアから出てきたのは桧山透(ひやまとおる)さん、友人の父親。
妻を亡くした中で気丈に飲食店を経営する、明るいお父さんだ。
透「相変わらず、ごいごい寝てるよ……叩き起こしてくるかい?」
静流「お願いできますか?」
透「じゃあ、かわいい娘とプロレスごっこでもしてきますかね……」
龍人「ははは、お気を付けて」
透「了解、中に入って待ってなよ」
踵を返して階段を上がっていったのち、ドタバタと激しい格闘戦の応酬が音となって聞こえてくる。
こうして静かになった時はタオルケットを剥がされてしまった時だろう。
静流と顔を見合わせて、少し笑った。
静流「愛ちゃんは、学校が終わっても変わらないのね」
龍人「なに。俺たちと一緒じゃん」
静流「一緒?」
龍人「俺たちも変わらず早起きだったろ?」
静流「まあ、そうね」
学校があった頃は、ねぼすけな友人をこうして毎朝迎えに来ていたのだ。
パタパタと階段を降りてくる音も、昨日までと変わらないものである。
「しずちゃーん!!」
ガバッ!
静流「きゃっ! ……もう。おはよう」
「えへへへ、おはよー」
彼女の名前は桧山愛(ひやまあい)。この荒廃する世界で「明るさ」と「無邪気さ」という稀有な力を持つ、大変貴重な友人だ。
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