9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/08(月) 00:25:26.99 ID:OYeM6Hq10
龍人「どこ行くかなあ」
静流「……ドア、閉めるよ」
鍵は閉めない。
海と空と緑の占める、この島の風土にはあまり似合わない。
物盗りの話など聞いた事もない。
結局8時40分になって家を出た俺たちは、習慣のままに足を運ぶ。
大遅刻ではあるが、あいつは怒らないに違いあるまい。
うだるような暑さのコンクリートが、徒歩5分の道のりを揺らす。
龍人「……あちい」
静流「そうね」
日差しは絵画のような赤ではなく、天気予報のようなオレンジでもなく、白。白も白。
蛍光灯よりも強い白の光が、日傘の中の静流をより際立たせている。
理由はないが、静流はいつも俺の右にいた。
だから荷物を左に持って、静流とときおり目を合わせたまま歩くのが、昨日まで通学路であったここでの習慣だった。
静流「着いた」
龍人「っと」
ピーンポーン……
目的の家のインターホンを迷いなく鳴らす。
その表札には「桧山」とあった。
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