【安価】メルトホライズン
1- 20
62:名無しNIPPER[saga]
2016/09/12(月) 12:29:39.83 ID:lJZ27BzCO



閉じ込めた静流の体温が温かい。
ゆるやかに冷風を吐く部屋の中で、手を置いた布団だけが有機質である。

龍人「……」
静流「……」

何も言わなければ何も言わないでくれる温もりが、俺の疑問を拒むことがあるだろうか。
怖がらずに打ち明けてみる決心がついた。



龍人「静流」

静流「……どうしたの」

龍人「静流は……常無島に残るの?」



静流は、窓の外に視線を移した。
海が見える。


静流「どうしよっかな」


静流は少し困ったように、笑っていた。
蕎麦かラーメンか悩む程度のように。


静流「わたしも、まだ決めてない」

龍人「……」

静流「龍人?」


俺はというと、少し驚いたというか裏切られたというか、アテが外れたような気がして、呼びかけに応えるのに時間を要した。

静流は、俺と逝くのではなかったのか?


龍人「いや、なんか」

静流「……。どっちだと思ってた」

龍人「沈むものかと」

静流「まあ、そう見えるかもね」


かもではない。そう見えていたのだ。
俺が静流に理解されているくらいは、俺も静流を理解していると思っていた。
あるいは、理解しているが故に気持ちの隠し方も知っているのか。




静流「……龍人は沈むつもりなの?」

龍人「俺は……。……」

沈まないなら本州に向かうよりない。それは俺の望まない事だった。
しかし俺死にますと言うのは難しい。桧山には濁して言えたのに。

言葉に詰まると、静流の腹部に置いていた手に両手が添えられた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
64Res/59.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice