カチューシャ「首輪」
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9: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2016/09/06(火) 11:08:45.97 ID:tzdu/r370
いつもの部屋にあたしとノンナは来ていた。もう夜もすっかりふけ、部屋は冷え切っている。ノンナが来て早々、暖炉に火をつける。

カチューシャ「ノンナ、椅子に座りなさい」

ノンナ「……はい」

カチューシャ「椅子から動いちゃだめよ」

ノンナ「……はい?」

そういいつけると、あたしは防寒具を脱ぎ始める。何枚も重ね着をしていたせいで、少し着替えるのが面倒だ。

ノンナ「カチューシャ、何を……」

カチューシャ「ノンナ、今日の自分の反省点を述べなさい」

ノンナ「……はい、同志カチューシャ。まず初めのB地点からの偵察命令なのですが……」

ノンナにしゃべらせながら、あたしは普段『あの行為』の中でも身に着けない恰好へと着替え続ける。趣味が悪いからだ。てかてかとしたエナメル素材に、下品で煽情的なデザイン。でも、ノンナに反省を促すなら十分である。

ノンナ「特に、その、DからBへと直線的移動に際してですが……」

あたしが着替えている服装に気付いたのか、ノンナは意識散漫だ。あたしを見てノンナが興奮している。……悪い気分じゃない。
きちんと靴もヒールに履き替えて、準備完了だ。次は道具を選ぶ。

ノンナ「あ、あの、カチューシャ……様」

カチューシャ「まだよ、ノンナ。まだだめよ。反省を続けなさい」

ノンナ「……はい、カチューシャ……最後の総攻撃をかけられたときの話なのですが……」

カチューシャ「ええ、なに?」

今日はそうね、一本鞭にしようかしら。バラじゃお仕置きにならないでしょうし。

ノンナ「その、私がカチューシャ様…カチューシャの命令に従わなかったのは理由がありまして」

カチューシャ「ふぅん……どんな理由なのかしら?」

そういいながら、あたしは机の上に座る。当然、ノンナはあたしの身体に釘づけだ。

ノンナ「それは……はぁ、はぁ……」

カチューシャ「ノンナ、まだだめよ。我慢しなくちゃ。戦車道の話をしているのよ?どうして興奮しているの?」

ノンナ「カチューシャ……カチューシャ様……その、私が残っても、相手車両は二両残っていましたし」

カチューシャ「それで?」

あたしはノンナの顔をエナメルでつくられた手袋の上からなぞる。もううっとりとした表情だけど、一生懸命耐えている。ああ、たまらないわ……

ノンナ「わ、私が残っても、カチューシャ様ほど指揮能力はありませんし……」

カチューシャ「ふぅん……ねぇノンナ」

ノンナ「は、はい」

カチューシャ「あなたがこの会議室で毎日やってることはなにかしら?」

ノンナ「そ、それは……」

カチューシャ「あたしが隊長であるのは確かだけど、隊長が撃破されても問題ないようにしなきゃならないのよ。わかるわよね」

ノンナ「……はい」

カチューシャ「そのために毎晩あなたと戦術を練り上げてるんだけど……無意味だったかしら?」

ノンナ「いえカチューシャ!そんなことは!」

カチューシャ「おすわり」

ノンナ「わん!!」

ノンナは勢いよく椅子から飛び降りると、いつものようにあたしに頭を垂れた。





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