144: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2016/09/24(土) 04:25:06.73 ID:pCr1Cam0o
人同士の濃厚な感情の交わりを察知して彼女はよろよろとそれが強くなる方向へ歩みを進めた。
展望台のある広場はこの時間カップルが多いが感応したのは彼らではなさそうだ。
彼らのはまとまって大きくなり彼女の狭めた門には入らずにすべっていく。
(この感じ知ってる……あれだあいつ、すごく単純な青いの……あいつは楽だった……どこ)
感じ取ろうという意思を持ったことで感応力が強まった。入り口が広がった。
(しまった)
どうしようもない混沌がなだれ込んできた。激しい頭痛とこみあげる吐き気をこらえながら少女は滂沱たる涙を流す。冷や汗も止まらない。
(いたいいたいいたいたいいたい、頭がものすごくいたい)
(も、もうすこしこれの近くにいかないと)
門を閉じることはできない。少し狭くすることしかできない。
“願い事を一つかなえてあげる”
“だから僕と契約して魔法少女になってよ”
契約時に望んだことは「人の気持ちがわかるようになりたい」というものだった。
友達同士の関係に悩んでいて切実に「他人の気持ちを知りたい」と思っていた。
願いはかなってエンパシー能力を得た。
他者の感情を身体感覚で知ることができるようになった。
これで人間関係のトラブルから無縁になれると喜んだのだが、すぐに後悔した。
この力は彼女に苦痛しかもたらさなかった。
318Res/339.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20