194: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2016/10/18(火) 01:26:15.24 ID:c9PlB8gso
「それに、全滅させてしまう訳にもいかない。そうでしょう」
「ま、ある程度落ち着くまでだな」
「そんなに疲れて。さやかはあなたに何も言わないの?」
「あーさやかは……」
ワルプルギス戦を終えてからというもの、さやかのテンションは上がりっぱなしだった。
「……それどころじゃないかも」
杏子はなんとなく部屋を見回した。
ワルプルギスの夜に関するあらゆる資料は片付けられて部屋の印象はすっかり変わった。新しくダイニングテーブルが設置してあり、椅子は五脚ある。ほむらはそのひとつに腰かけている。
「普通の人間に戻れるかもってすごく喜んでる。心配なんだ。
だってさ、あんまりそういうの良くないって思わないか?」
さやかは良くも悪くも感情の振れ幅が大きい。
「素直に喜び過ぎなんだよ……」
ほむらの隣にはマミが無言で坐っている。
丁寧に梳かしつけられたゆるやかな癖のある髪がそのまま肩甲骨を覆うあたりまで流れ落ちている。表情はない。
彼女は見えている、聞こえてもいる。簡単な指示や介添えがあれば身の回りのことはこなすし、朝起きて夜眠る。
しかしそれだけだ。
魔法少女は条理を覆す存在だと言うが、最強の魔法少女は何もかもをひっくり返して人に戻った。
これが代償なのだろうか?
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