212: ◆GXVkKXrpNcpr[saga sage]
2016/11/02(水) 17:19:46.11 ID:izpVRLdZo
「それは間違いない。この先ワルプルギスの夜が出現することはない。そのうちこの結界も消滅するだろう」
「どれくらいの時間で消えるの?」
「さあ。大きいからね、時間はかかると思うよ。ところでそっちへ行ってもいいかな?」
「どうぞ」
ゆったりくつろぐマミの隣にQBが座り、くるんと自分の身体に尻尾を巻き付けた。
「この結界について、あなたたちはまったく知らなかったの?」
「大海原に浮かんだ小さなブイみたいなものをイメージしてくれればいいかな。気付かないよ」
QBの声がなんとなく憂鬱そうに聞こえたが、もちろん気のせいだろう。
「それにしても面倒なことになった。ここから脱出するのは難しいかもしれない」
「どういうこと?」
「通常空間につながる道が見えない。隠されているのかな。
それから君には本来の肉体に戻ろうとする強い力が働いているはずなんだけどそういった気配がないのも気になる。何か心当たりはあるかい?」
「ありすぎるくらい」
魔法少女たちは玉座についた新しい女王と“使者”を確かに見つめている。
マミにはそのように思えて仕方がない。
目を凝らすと彼女たちから自分とQBに伸びる不可触の黒い糸がうっすらと見えた。
「私たちこの場所に、この子たちに捕まっちゃったみたいよ。QBにはこの糸が見えないの?」
「見えないが、うん何かあるようだね。どうも感知し辛いな」
「情念? 恨みかな? 私たちにしこたま絡みついているわよ。
そう言えば、全員あなたとは知り合いなのよね」
「そういうことになるね」
なんでもないことのようにQBは返事した。
これだけの人数から一斉に恨みつらみを訴えられたら自分は耐えられない、とマミは思う。
(しかもみんな死霊なんだもの)
死霊という言葉を思い浮かべた途端身の毛がよだった。
(怪談は正直得意じゃないわ)
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