273: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2017/02/07(火) 08:32:07.96 ID:5orYg2PVo
遠い場所から帰還を果たした。実りの多い旅だった。
そんな満ち足りた気分でさやかは目を覚ました。しかしなぜか自分が今、魔法少女の姿で路上を走っている最中なのを知って驚きの声を上げた。
「えっ?」
かなり本気のスピードだ。とりあえずペースを落とす。
街灯が照らす夜の道に人気はない。雨が降っている。
(なにやってんのアタシは……まだ夢かな?)
一体どこへ向かうつもりだったのかと悩む彼女に待ち望んだ懐かしい声が届いた。
(美樹さん)
さやかは言葉にならない大きな喜びの感情を爆発させた。高らかに鳴り響くファンファーレ、大量に打ち上がった花火のようなそれ。
今のマミにはさやかの純粋でダイレクトな歓喜が少し心に突き刺さる。
(マミさん! 戻ってきてくれたんですね!)
(おかげさまでね。それより──)
少しの間さやかの脳裏にある風景が映し出された。
豪雨、暴風、落雷、破壊された人工物が土砂と共に積み上がっている。
(マミさん、ここって)
(急いで、お願い。暁美さんを助けて)
(はいっ!?)
夜空にその中心がはっきりと見えた。巨大な黒雲の渦巻きがあり、それが所々光る。不穏な雷の音がする。
ちょうどあの真下あたりだ。
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