280: ◆GXVkKXrpNcpr[sage saga]
2017/02/07(火) 14:23:59.51 ID:5orYg2PVo
また光った。近い。直後の一際大きな雷鳴にまどかは絶叫してしまった。ほむらのソウルジェムを持ったまま頭を抱えるようにして両耳を塞ぐ。頬がぴりぴりする。
「よーしよし、怖くないよ〜大丈夫だって」
「い、いい今の、今のすごくなかった? ねえ?」
「すごかったけど、でも大丈夫だからねホント」
涙目でカチカチと歯を鳴らす友人の肩を抱いて励ましているうちに、さやかは一帯になにやら異様な気配が近づいてくるのを感じた。
どんどん大きくなる。鳥肌が立った。
「うーん、どこからだろう、これ」
まどかも同じように感じていたが、それがどこからというなら何度も見た。ワルプルギスの夜はいつでも空から現れた。
「……そうだった……ねえ、さやかちゃん、上だよ」
まどかが震えながら空を見上げると「ん、なに?」とさやかも同じ方を向いた。
ほぼ同時に二人の頭上、雲の渦の中心から小さな何かが放出された。雷光が照らしたそれは人影らしい、という程度の認識しかできないものだったがまどかはぎょっとして叫んだ。
「ほむらちゃん!!」
さやかは彼女のこれ程必死な大声は聞いたことがなかった。
時間がない。
「ふんっっ!」
「ちょっっさやかちゃん?!」
まどかの手からソウルジェムを奪い、頭を下にして落ちてくるほむら目掛けて最小最速のモーションで投げた。
間をおかず直径三メートルほどの白く輝く魔法陣をほむらの落下線上に出現させる。
それ自体は厚みのない円盤が僅かな間隔を保って幾重にも層を成し、地上数メートルに浮かんで明るく光る円柱となった。
重力に逆らって飛んで行った小さな紫は目標を掠め、しばらく上昇してから持ち主に続いて落ちてくる。
ほむらは中心から少しずれて光の柱に吸い込まれた。まどかはそれをはらはらしながら見守りつつ、ソウルジェムの行方も懸命に目の端で追った。
本体はソウルジェムだと頭でわかっていても、どうしても身体の方を重点的に見てしまう。それを抜け殻などと思うことはできない。
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