53: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2016/09/21(水) 01:01:34.74 ID:JptNLkfbo
「変身しないの?」
問われて一瞬、胸元の赤いソウルジェムを打ち抜かれる悪夢の様な光景を思い出して身震いする。
(初動がめちゃくちゃ早いんだよなぁ……)
「しない。もしマミが攻撃してきたらあんたがなんとかしてくれ。
ていうか、それに専念してくれ」
ソウルジェムを掌に触れさせるとマミはすぐ意識を取り戻し、それを握る手に力がこもった。
マミは情況を大体察して身体を起こし、無表情にほむらと杏子を見た。
「そう……やり損ねたのね」
杏子は緊張を隠したおだやかな声で話しかける。
「マミ。自分で無理矢理幕引きってのはないんじゃないのか」
「あなたも体験してみる? いろいろと実感できるわよ」
相手が予想に反してかなり落ち着いているので杏子は心底ほっとした。
「遠慮しとくよ」
「無理におすすめはしないわ」
返却されたソウルジェムを目の高さに掲げて眺める。
「まったく。まさに消耗品なのね」
「マミ?」
「大丈夫、もう自分で終わらせようとはしないわ。
少し衝動的すぎたと思っているの」
「聞き分けがよすぎてなんか気味が悪いんだけど」
「ずいぶんな言い方じゃない? 正直、見事に失敗したから
もう一度試す気にはなれないわね」
「いい知らせもある。さやかのソウルジェムは浄化できたよ」
「ほんとうに??」
マミの肩から力が抜けて、顔付きが一瞬で明るくなった。
「………よかった、ほんとうに」
「まったくだよ。早まらなくてよかったろ」
「ごめんなさい。あなたも、暁美さん」
黙っていたほむらをマミが見た。
「どうしてあなたが私の命を救おうとしてくれたの?
他人に干渉しない質だと思っていたから意外だわ」
「あなたに知っておいてほしいことがあるの」
マミは無言で先をうながす。
「もうすぐワルプルギスの夜がくる。一緒に戦ってほしい」
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