7: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2016/10/07(金) 20:29:39.66 ID:mFpjnES+0
「らいじょうぶ…うん…らいじょうぶだから…」
「どこがですかっ!? あぁもう言わんこっちゃない! すみません運転手さん、コレで10分間だけ待っていてもらえませんか? 彼女を部屋に送っていったらすぐに戻ってきますから」
おやおや…最近のアスファルトはこんなに柔らかいのか…脚が沈み込んで抜けないぞ、困ったものだなァ…。
なんだこの地面、急に立ち上がって私に迫ってくるぞ…?
「あいさん!? 危ないっ!」
ぼすっ
「んぷっ……? あぁ…あららかいなぁ…」
「ふぅ…よかった…あいさん? どこも怪我してないですよね?」
「はいはい…あいさんはげんきらぞ…そんにゃことより…このくっしょんがとっれもきもひいいんら……いいにおいもするひな……すんすん…」
「いや、あいさん!? 嗅がないでください! ほら、しっかりして! あいさん!」
「ゃぁぁああ…いくなぁぁくっしょんん…わらひのくっしょんんんん〜〜」
クッションの分際で勝手に動いて私から逃れるとは良い度胸だ…それにこのクッションは顔もついているらしいな…。
んん?コイツ…喋ってるぞ…???
よく見ればこの顔には見覚えが………。
「あぇ………?」
目の前にはこちらを心配そうにのぞき込むPくんの顔。
あい「………」
この数時間のことが走馬灯のように脳裡を駆け巡り、なぜ自分が前後不覚になるまで酔ったのかも完全に思い出した。
あい「ぁ…ぅぁ……」
P「あいさん…? 大丈夫ですか…?」
すぐ先の見覚えのある建物は私のマンションだ。
あい「すっ、すまない……もう大丈夫だ、一人で帰れるから…」
彼の脇を通り過ぎようと踏み出した右脚が地面に突き刺さり、あろうことかそのままズブズブと沈み込んでしまう。
P「あぁっ、ダメですって!」
あい「あ、あれ…?」
それは勿論錯覚で、膝に力が入らずただ膝を曲げてしまっただけだった。
P「……失礼しますっ」
Pくんに取られた左腕が彼の肩に掛けられ、右腰に回された腕に力が込められる。
彼の体に密着固定させられ、なんとか立ち上がることができた。
P「このままあいさんの部屋まで連れていきますね」
あい「あっ……す…いや…ありがとう…よろしく頼む…ぅ…く……」
さっき振られたばかりだというのに、しかも痴態といってもいい姿を見せつけてしまって、その尻拭いまでさせてしまっているのに、胸の甘い痛みを抑え込むことが出来ない。
なんという浅ましさだろうか…。
気恥ずかしさと自己嫌悪に顔が上げられない。
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