8: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2016/10/07(金) 20:31:00.62 ID:mFpjnES+0
マンションのエントランスを抜けエレベーターホールへ。
胸は高鳴り続けている。
甘美な痛痒さ…。
しかしそれが許されるのも今夜までだ。
……。
正面からぶつかり玉砕した。
であれば明日からは、純粋に仕事上の良きパートナーとして振る舞うべきだ。
大人だものな…公私は分けなくては…。
そうだ…明日からは仕事のパートナーとして、こんな風に一方的に甘えることは許されない。
私は東郷あいなのだから。
ぽーん♪
エレベーターに乗り込む。
鉄の箱に囲まれた狭い密室に私と彼の二人きり…。
あぁ、だめだ…。
脇腹と腕から感じる彼の体温。
鼻腔をくすぐる彼の生々しい匂い。
だめだ、だめだ…意識するな…意識してはいけないのに…。
明日からはもう彼にこんなに近づくことはなくなるんだ。
体で彼の温かさを感じて、汗の匂いを嗅ぐなんてことはなくなるんだ。
あくまで仕事のパートナーとして、一線を引いて彼と付き合わなくてはいけないんだ…。
男性としての彼は諦めなくてはいけないんだ…。
あい「………っ」
そんなの…。
そんなこと……。
ぽーん♪
あい「……………できるわけがない」
口からまろび出た呟きは間抜けな電子音にかき消されてしまったらしく、Pくんがこちらを気にした様子はない。
彼にもたれ掛かりながら部屋の前までたどり着き、バッグからドアの鍵を取り出す。
その頃には胸の熱はそのままに、つま先から指先に至るすべての感覚が研ぎ冷まされていた。
あい「す
まないが、ベッドまでお願いできるかな?」
だが、浅ましい演技を続けよう。
P「は、はい…。寝室はどちらに?」
あい「あっちだよ…」
廊下の先の正面のドアを指差す。
ドアを進めばリビングで、さらにそこからもう一つドアをくぐればそこが寝室だ。
P「っと……じゃあ、下ろしますね」
まずは私をベッドに腰かけさせようとしてくれているのだろう、ベッドを背にしたまま二人して少しずつ腰を下ろしていく。
彼は私が勢いよく倒れ込んでしまうことを危惧しているのか、ベッドと腰の距離に注意を払っており、彼の表情を観察する私の舐めるような視線に気付いていない。
…好都合だ。
あい「……P…くん…っ!」
P「えっ!?ちょっと…っ!?」
どさっ! ぎし……っ!
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