17:名無しNIPPER[saga!nasu_res]
2016/10/16(日) 22:38:02.78 ID:kKlZB90E0
ため息を一つ、ポケットから携帯を取り出し時刻を見る
たかが1、2分…されど時間を1秒も無駄にしたくない
60秒ちょいでできることなど、たかが知れているだろうが
なんとなしに登録されているアプリでも起動させてできる事でもするか
そう考えて、端末の画面を指で触れる
にこ「…あっ」pi
単なる操作ミス、ただそれだけの事である
学校に休む様になってから暇を持て余すようになったからこそ適当に
ダウンロードしたゲームを起動させようとした
それだけだったのだが、一つとなりのアイコンに触れてしまった
その程度の事だったのだが、問題は触れたアイコンだった
アルバム、今まで取った写真、画像を見る為のモノ…
そこにはまだ彼女が未練がましく残していた写真があった
自分以外の8人の姿が当時のままで鮮明に残る
誰かと誰かが一緒だったところ、あるいは単独。あるいは同級生の知人に
頼み、自分含めた9名が収まるようにシャッターを切ってもらった時
ちょっとした事でふざけあって喧嘩して、くだらないことで笑って
そんな高校生活の1コマが一つ一つには撮られていて…
思い出の中で生きて居る9人を見る度に胸が痛くなった
「本当に、なんでどうしてこんな事になってしまったんだろうか」と
そんな事ばかり考えて陰鬱になる
こうなるくらいならば最大の要因になりうるこの画像を一つ残らず
消去すれば良いモノの…にこにはそれができない
何故ならばそれが"未練"だから
思い出は綺麗で、撮っておけば鮮明にいつまでも残る
数日前の山頂アタックで赤毛の友人と語らった内容だ
その時、その瞬間だけを切り取っていつまでも残すのだ
消せば二度と、その保管した瞬間は復元できない
それもある…だが、何度も言うように矢澤にこにとってはそれが"未練"だ
未練というのはあれば消せない、縋りたくて仕方がない
叶うなら戻りたい、時を巻き戻して何もかもだおかしな方向へ進む前に
行って、修正したいと無駄な願いだけを持つ
それが人間の性というモノだ
「お客様、お待たせしました」
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