18:名無しNIPPER[saga!nasu_res]
2016/10/16(日) 22:55:36.08 ID:kKlZB90E0
びくり、肩を震わせた
目尻に涙を浮かべそうになっていた目線は常に手元の携帯端末
気が付けばデジタル表記の時計は先に見た時刻よりも5分経っていた
…2分どころではなく想定以上に長居していたようだ
客を無駄に待たせる店に愚痴を零して帰る機会を逃したようで…
にこは突然声を掛けて来た人物の顔を見ようと顔をあげる
第一声はどう言うつもりだったか…
「客を待たせるなんて失礼なんじゃないかしら?」だったか…
初対面相手にはアイドルとして取り繕う事が多かったにこだ、実際には
もうちょっとオブラートな言い分だったかもしれないが意味合いは
大体同じ事だろう
声の主はにこが肩を震わせるくらいの距離まで近づいてボソリと
呟いたのだ…
心臓に悪い、せめて店の奥から顔を出した時点で声を掛けるなりなんなり
色々あるだろうに
不満はいくつも浮かび上がる
不機嫌極まりないにこが第一声を相手の顔を見据えて言おうとして
思わず息を飲んだ
頬骨が浮き出て見える痩せこけた顔、不健康そのものと言った具合の顔色
前髪なんかは鏡も見ないで適当に切りました!と主張するようなモノで
くたびれた感じの40代近い女性が笑みを浮かべて立っていた
接客スマイルなのだろうか…失礼ながら特殊メイクなしでお化け屋敷に
居た方が儲かりそうな人だ
不満や怒りよりも不安がにこの心境の大半を埋める
大雑把に切り分けた前髪とか、仮にも人を磨く職に手を着ける人物が
これか?自分この店で大丈夫か?とか…
「お客様でいらっしゃいますね?」
にこ「え、ええ…はい、お店…はやってます、よね?」
さっきまでの怒気は何処へやら、しどろもどろに答える
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