提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」
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838:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/12(木) 01:10:05.75 ID:OeXFHpwM0


プリンツ「……」

プリンツ(ここでやるべきことは全部終わらせた。荷物も纏めた。後は夜の列車でドイツ軍司令部まで行くだけだ)

プリンツ(そして向こうで一泊して朝の飛行機で大陸へ渡る。後は本国まで列車で帰還だ)

プリンツ(こうしてここの司令部の屋上からこの拠点を見渡していると、本当に終わりなんだという気分になった)

プリンツ(考えると気分が悪くなる。だから何も考えないようにした。ひたすら敵を殺す。ただ、それだけだ)

プリンツ(もう誰かを好きになることは二度とない。もう御免だった。こんなにひどい気分になるのなら、恋愛なんていらない)

プリンツ(……甘ったるい私好みの赤ワインを、瓶のままグイッと飲む。苦いのは嫌だけど、これは甘い葡萄の味がして好きだ)

プリンツ(お酒を飲まなきゃやっていられなかった。アルコールに溺れる人間の気持ちが今ならよくわかる)

プリンツ(現実がこんなに辛いなら、酔っていなきゃやっていられないんだ。私も、本当に辛くて……もう嫌だった)

プリンツ「……から、か」

プリンツ(これを飲み終わったら出発しようと思っていたんだ。少し早いけど、ここにいるといろいろ思い出して嫌だ)

プリンツ(いや、もう日本と太平洋が嫌だった。早くドイツへ帰りたい。一刻も早くここから去りたい)

プリンツ(空き瓶を持って階段を下りる。少しふらふらするけど問題ない。廊下を歩いてエントランスへ向かう。そのときだった)

プリンツ「……っ!?」ビクッ

提督「……プリンツ」

ビスマルク「……」

プリンツ「あ……なんで……入院しているはずじゃ……」

提督「君もビスマルクのような反応をするんだな」

ビスマルク「誰だって入院しているはずの人がいたらそう聞くわよ」

提督「ふむ……確かにな」

プリンツ「……!!」カタカタカタ

プリンツ(今、一番見たくない光景だった。アトミラールがビスマルクと一緒に並んでいるところ。それだけは見たくなかった)

プリンツ(気分が悪くなる。吐き気が込み上げてきた。……私は、こんな最悪な気分なのに、あの女は!!)

プリンツ(あんな最悪の売女がこんなに幸せな思いをしてどうしてあんなに頑張った私がこんなにひどい目に!!)

プリンツ(怒りで狂ってしまいそうだった。もう何もかも嫌だった。この酒瓶で殴り殺してやりたい)

プリンツ(けど、そんなことをしたらアトミラールが……頭がおかしくなりそうだ。あんなの、見たくない)

提督「プリンツ、昨日ぶりだな」

プリンツ「あ……アトミラール……ごめんなさい……ごめんなさい……うぁっ!!」ダンッ

プリンツ(私は逃げるように後ずさる。けど、足がもつれて転びそうになる。瓶を落として壁に手をついた。何とか転ばずにすむ)

提督「プリンツ!!」ダキッ


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