4: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/04(金) 00:15:36.06 ID:R/Zx5KUfO
「紺野さん、これから1ヶ月あなたにお世話係頼むわね」
先輩が昼休みにやって来て、私の肩を叩いてそう言った。
お世話係。会社の規則や慣習、その他簡単な雑務を教えたりする人をそう呼んでいた。
私は今まで一度だってしたことはない。
なぜかというと、それはだいたい仕事のできる人や上司の仕事だったからだ。
そして、お世話係のほとんどは仕事の鬼のような人間ばかり。
それも中途が続かない原因の一部でもあった。
「上の方で話してね、あなたならどうかなってなったの」
「こ、困ります。私、事務しか」
「でも、他にも色々器用にしてくれてたでしょ」
「あれは、頼まれたからで……結構、いっぱいいっぱいで」
「じゃあ、今回も頼むわ。あなたならできるわよ」
どこから、そんな根拠のない自信が出てくるのだろう。
「中途が辞めないように、とにかく優しくしてあげて。一人暮らししてるそうだから、今夜はお祝いしてあげること。はい、これ経費」
茶封筒を渡される。
中を見ると、5000円が入っていた。
もはや何を言っても無駄だと思い、私は諦めてそれを受け取った。
「ありがと」
先輩が屈託なく笑う。
これはパワハラだと思う。
「じゃあ、外に待たせてるから後はよろしくね」
「はい……」
100Res/65.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20