84: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/17(木) 11:49:45.36 ID:oHfqW8iBO
夕飯後、都築さんが家中の灯りがついていることに気が付いた。
なんでつけたのかは聞いてこなかった。
ただ、優しく、
「つけておきますね」
と言ってくれた。
その温かさに救われながら、平然と部屋の中を移動する彼女がとても羨ましくも思えた。
私はこんなに苦しいのに。どうして彼女は普通なのか。
どうして私だけ、不安にならないといけないのか。
そんなことを考えてもどうしようもないのに。
思わずにはいられなかった。
相変わらずソファーの上で縮こまりクマの人形を抱きしめる私。
テレビの軽快な音が、多少現実を忘れさせてくれる。
少し離れた所で、本を読んでいる都築さん。
「今日は夜のお仕事ないの?」
ぽつりと聞く。
「はい」
「もしかして、休みとってるんじゃ」
「そんなことは」
「ホントに?」
「ええ」
問いただしても本当の事は言ってくれなさそうだ。
「……今日、外に買い物に行けたから、明日は家に帰るね」
都築さんが本を閉じた。
「ずっと、いてくれていいんですよ」
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