55:名無しNIPPER[saga]
2016/12/04(日) 18:35:37.42 ID:p8lNJQva0
「なんてゆーか、ひどかったね……」
「……ああ」
館外に出た私たちは、百年ぶりに外の空気を吸ったような心地で振り返る。
――――秘○館
「あっはっはっは、それにしてもひどかったねー! お昼の!」
「ああ、まったくだ」
旅番組のレポートを終えた私たちは、せっかくだからお宿に泊まって帰ることにしたんだ。
Pさんは、特に私の仕事の時はそういう風に計画してくれてるみたい。
で、ゆっくり温泉に浸かって、豪勢な晩御飯にお酒も入ってテンションは最高潮!
だから私は、改めてさっきのことを話題に出す。素面じゃとてもできないような話。
「珍しく Pさんが『一度行ってみたいところがある』っていうから期待してみれば……」
二人きりになってようやく、面白がれる。もちろんアイドルとしての立場があるし、気恥かしかったのも確かだから。
でもPさんは真面目な顔で言った。うん、絶対ウソの表情だ。
「いやな、ネタとして選んだんだが想像を絶していて、芽衣子に軽蔑されないかと冷や冷やしたが……楽しんでくれたようでなによりだ」
「む、私ひとり楽しんだって? Pさんだってけっこう楽しんでたでしょう?」
「んん? いや俺は始終呆れてたぞ、うん……ああでも、芽衣子が真っ赤になりながらまじまじ見詰めたりちょっとニヤニヤ我慢してるのは、見ていて楽しかったな」
「ええー? 私こそドン引きしてたよ! Pさんが一番ヘンタイなのにいい子ぶっちゃだめだよ!」
「いや芽衣子が」
「Pさんが!」
Pさんはあくまでも意地を張るつもりみたいだった。そこで私はPさんをやっつけちゃおうと思って立ち上がった。
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